AIコマースとオンラインペイメント第1部 第1回目  AIコマース(AI Commerce)およびAIエージェンティックコマース(AI Agentic Commerce)のキーワード

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2026年9月11日7:30

和田 文明

プロフィール

キャッシュレス、電子マネー関連のジャーナリスト/ライター、主に欧米、アジアのセキュリティを含むキャッシュレス情報、カスタマーロイヤルティプログラム情報を取材

AIコマースとは、AI (人工知能)を活用してECサイトの運営効率化や消費者の購買体験の向上を実現する仕組みを指すものである。AIコマースは、単におすすめの商品を表示するというレベルを超え、データ予測、自然言語処理、画像認識、自律型エージェントなどを組み合わせることで、顧客体験(CX)の向上と、サプライチェーン(供給網)の効率化を同時に実現するテクノロジー的パラダイムシフトを指す。近年、AIコマースは単なるおすすめ商品の表示や自動返信チャットの枠を超え、AI(人工知能)が自律的に判断して行動するエージェンティックコマース(Agentic Commerce)へと進化を遂げているといわれている。

また、世界の決済インフラを二分するVisaMastercardは、AI(人工知能)が人間の代わりに自律して意思決定・購買を行うエージェンティックコマースAgentic Commerceを見据え、それぞれ強力かつ特徴の異なるAIコマース戦略を展開している。

VisaMastercardは、どちらもAI(人工知能)が人間の代わりに自動で買い物をしてくれる未来を見据えて、最新のAIペイメントシステムを開発している。

両社の違いを一言でいうと、VisaAI(人工知能)がインターネットを自由に動き回れるための『共通の道路(通信の仕組み)』を作ることを得意とし、MastercardAI(人工知能)が勝手に暴走しないように『厳重な鍵をかけたお財布(デジタル財布)』を渡すことを得意としているといわれている。

AIコマースとオンラインペイメント』の第1部(9月~10月)では、AIコマースやエージェンティックコマースを構成する主要なコア技術と、その専門的なメカニズムについて5回に分けて解説する。また、『AIコマースとオンラインペイメントの第2部(11月~12月)では、AIコマースやエージェンティックコマースにおけるオンラインペイメントにスポットを当て、ペイメントカードのVisaMastercard、ペイメントサービスプロバイダー大手のStripeなどの動向の紹介やこれらの比較を行ってみたい。

AIコマースとオンラインペイメント 第1

Index(目次) 1、AIコマースのキーワード 2、AIコマースとは? 3、AIエージェンティックコマース(AI Agentic Commerce) とは? 4、地域的AIコマースの展開状況について 5、AIコマース(AI Commerce)とペイメント(決済)の融合について

 AIコマースとオンラインペイメント 第2

Index(目次) 1、AIコマースとVisa 2、AIコマースとMastercard 3、VisaとMastercardのAIコマース戦略の比較 4、AIコマースとStripe 5、AIコマースにおけるデジタル財布の機能と役割

<参考文献・資料>(1部、2部共通)

・『図解まるわかり AIエージェントのしくみ』、翔泳社 ・『みずほ産業調査Vol.80 エージェンティックコマース、進化するAIと変容する消費者から選ばれる小売事業者へ』、みずほ銀行

『エージェンティックコマース ~進化するAIと変容する消費者から選ばれる小売事業者へ』 (みずほ銀行産業調査部, 2026年3月)

・概要: 日本国内市場への影響を日本語で詳しく分析した貴重な産業レポート ・2040年までに日本産業におけるエージェンティックAIの獲得市場規模が26.3兆円に達すると試算 ・生活必需品の義務的ルーティンがAI(人工知能)へ委託される時代に、日本のコンビニや小売がどうチャネルを適応(AEO対応など)すべきか、具体的な打ち手を提言している *AEOとは、AI Engineer Optimization、またはAnswer Engineer Optimizationの略で、日本語ではAIエージェント最適化やAI回答最適化を意味する用語

・『AIが購買を獅子決定する時代、エージェントコマースとは何か』、Salesforceブログ ・『AI Xデジタル通貨購買新時代の到来、エージェンティックコマース/ペイメントの過時における機会と事業者の備え』インフキュリオン/レポート2026年6月

『AI Xデジタル通貨購買新時代の到来、エージェンティックコマース/ペイメントの過時における機会と事業者の備え』インフキュリオン/レポート2026年6月 本レポートは、AIエージェントが自律的に購買・決済を行うエージェンティックコマースへの移行期において、日本の事業者が直面する機会と、今すぐ取り組むべき決済・データインフラの備えを提言している。AI(人工知能)が買い物を代行する時代はすでに始まっており、事業者は『人間に見てもらうウェブサイト』の構築から、『AI(人工知能)に正しく選ばれ、安全に決済してもらうためのデータと決済インフラ(API、Application Programming Interface)』の整備へと、今すぐ舵を切るべきであるという、過渡期の日本における具体的なロードマップを示している。

・「AIエージェントが加速するCX革命」、NTT Data ・「最新の決済機能がビジネスに与える影響」、Stripe Japan ・「サブスク業界における規制環境の変化とその影響」、Stripe Japan ・「AIビジネスの拡張」、Stripe Japan ・「AIが再定義する金融の未来」ペーパーバック ・エンベディドファイナンスの衝撃、東洋経済新報社 ・BNPL 後払い決済の最前線、金融財政事情研究会 ・キャッシュレス決済ビジネスハンドブック、中央経済社 ・ペイメントナビのHP ・『You searched on AI Commerce』、The Paypers ・『Affirm partners with Google to make AI shopping payment clear and simple』、The Paypers ・『Experian Launches Agent Trust framework for agentic commerce』、The Paypers ・『Cresora Commerce rolls out AI-native payments platform with USD 4 min seed roundrs』、  The Paypers ・『Who Builds Trust in the Age of Agentic Commerce?』、The Paypers ・『Visa lanches Intelligent Commerce Connect for agentic payments』、The Paypers ・『Agentic winners will be determined by Trust not Tech』、The Paypers ・AI in payments: From hype to impact、Payrails ・From consumer AI to agentic payment operations、The Paypers ・How agentic AI can change the way banks fight financial crime – McKinsey、mckinsey.com ・Six benefits of AI in payments for problem resolution - Access PaySuite、accesspaysuite.com ・The Role of AI in preventing financial fraud and enhancing compliance - GSC Online Press、  gsconlinepress.com ・AI-enabled anti- money laundering、ey.com ・The AI revolution for payments & tech | J.P. Morgan、jpmorgan.com ・2025 Cross-Border Payments Trends for Financial Institutions | J.P. Morgan、jpmorgan.com ・EU Tech Firms Look to US for AI Funding | PYMNTS.com、pymnts.com ・AI in Fintech – IBM、ibm.com ・LLM Hallucinations: What Are the Implications for Financial Institutions? | BizTech Magazine、  biztechmagazine.com ・Automated Invoicing with Generative AI: Streamline Finance – SmythOS、smythos.com ・High-level summary of the AI Act | EU Artificial Intelligence Act、  artificialintelligenceact.eueuroparl.europa.eu ・EU AI Act: first regulation on artificial intelligence | Topics - European Parliament、  europarl.europa.eu ・GAO-25-107197, ARTIFICIAL INTELLIGENCE: Use and Oversight in Financial Services  - Government Accountability Office、gao.gov ・The Impact of Large Language Models in Finance: Towards Trustworthy Adoption  - The Alan Turing Institute、turing.ac.uk ・From Automation to Autonomy: How Agentic AI is、Visa ・Embedded Finance: When Payments Become An Experience、Wiley ・Embedded Finance and Banking-as-a-Service Report 2023、The Paypers ・U.S. Embedded Finance Market、Grand View Research、Inc. ・2024 The Embedded Lending Opportunity、VISA ・Embedded finance – a buyer’s Guide、Weavr ・Embedded finance: Bringing value into focus、Weavr ・VisaのHP ・MastercardのHP ・StripeのHP ・Stripe JapanのHP ・GoogleのHP 

AIコマース(AI Commerce)およびAIエージェンティックコマース(Agentic Commerce)の領域で頻出する重要なキーワード集を作成してみた。AIコマースAI Commerceとオンラインペイメント(第1部)の1回目は、AIコマース(AI Commerce)およびAIエージェンティックコマース(Agentic Commerce)のいくつかのキーワードについて紹介してみたい。

このAIコマース(AI Commerce)やAIエージェンティックコマース(Agentic Commerce)を理解する上で不可欠なテクノロジー、ペイメント、マーケティング、規格などに関するキーワードを体系的に分類し、英語のアルファベット順に掲示している。

コア・テクノロジー(技術基盤)に関する用語

AEO AI Engineer Optimization

・AEOとは、AI Engineer Optimizationの略で、日本語ではAIエージェント最適化やAI回答最適化を指す

AIエージェント AI Agent

・与えられた目標(ゴール)を達成するために、自律的に思考(推論)し、自ら計画を立て、外部のWebサイトやAPI(Application Programming Interface)などのツールを使いこなしてタスクを完遂する能力を持ったAIシステム ・エージェンティックコマースにおける買い手の主役

AIコマース AI Commerce

・電子商取引(Eコマース)のあらゆるプロセスにAI(人工知能)テクノロジーを統合し、高度に自動化・最適化・パーソナライズされた次世代の取引形態のことである ・単におすすめの商品を表示するというレベルを超え、データ予測、自然言語処理、画像認識、自律型エージェントなどを組み合わせることで、顧客体験(CX)の劇的な向上と、サプライチェーン(供給網)の効率化を同時に実現するテクノロジー的パラダイムシフトを指す

AI最適化 AI Optimization (AIO)

・AI検索やAIエージェントに、自社の商品を正しく理解してもらい、ユーザーへのおすすめ(推薦リスト)に選ばれるためのデータコンテンツ戦略のこと

エージェントコマースプロトコル(ACP) Agentic Commerce Protocol

・StripeやOpenAIなどが提唱するACP(Al Agentic Commerce Protocol)とは、AIエージェントが、ネット上のお店(Merchant)で安全かつスムーズにお買い物をするための、共通の言葉のルールのことを指す

Application Programming Interface (API)

・AIエージェントが、人間の代わりにネットショップへ入り、商品を探して決済を完了させるための『AI専用のデジタルドア』(窓口)のこと ・AI同士がAPIを通じて一瞬でお買い物を終わらせる時代への変化を、このテクノロジーが支えている

コンピュータビジョンComputer Vision

・画像や動画を認識・解析するAIテクノロジー ・AIコマースにおいては、ビジュアル類似品検索、バーチャル試着(仮想フィッティング)、実店舗での顧客行動や手にとった商品の自動識別(無人決済店舗)に不可欠なテクノロジー

Googleマーチャントセンター Google Merchant Center

・自社のネットショップで売っている商品の情報を、Googleに一括登録して見える化するための、オンラインの商品管理倉庫(バインダー)のテクノロジー

予測分析 Predictive Analytics

・需要予測、動的価格設定(ダイナミックプライシング)、不正検知(リスカウンタリング)を行う

セマンティック検索Semantic Search

・単なるキーワードの一致ではなく、ユーザーの検索意図や文脈(TPO、感情、背景)をAI(人工知能)が解釈し、最適な商品へと導く自然言語処理テクノロジー ・ベクトル検索などが応用される

共有決済トークン(SPT)Shared Payment Token

・単なる暗号データではなく、あらかじめ使用条件の枠(ガードレール)が厳格に組み込まれたインテリジェントなトークン

ユニバーサルコマースプロトコル(UCP) Universal Commerce Protocol

・AIエージェント(身代わりAI)が、ネット上にあるあらゆるお店で迷わず、安全にお買い物ができるようにするための世界共通の通信規格

プレディクティブサプライチェーン Predictive Supply Chain

・データ分析やAI(人工知能)、機械学習などを活用して、未来に起こることを予測し、先手を打って最適化するサプライチェーン(供給網)のことで、日本語では予測型サプライチェーンとも呼ばれている

決済・FinTechインフラに関する用語

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