2012年7月19日17:10
マスターカード・ワールドワイド(MasterCard)は、最新の財務リテラシー指標調査(The MasterCard Worldwide Index of Financial Literacy)の結果を発表した。MasterCard調査によると、先進国の消費者は全般的に財務面での計画性に優れ、新興市場では基本的な金銭管理に関して、女性が男性を上回っていることが明らかになったという。
今回の調査は、2012年4月24日~6月10日にかけて、アジア/太平洋地域の14カ国の18歳~64歳の消費者計6,904人を対象に実施した。同調査は、2010年の開始以来、今回で3度目となる財務リテラシー指標調査となり、基本的な金銭管理スキル、投資に関する知識、財務計画能力の財務リテラシーに関する3つの項目について消費者調査を行い、予算管理、貯蓄、クレジットカード利用の責任の観点から各国消費者の基本的な金銭管理能力のレベルを査定するものとなった。
総合財務リテラシー指標のランキングでは、台湾とニュージーランドが73ポイントと、アジア/太平洋地域のトップとなった。台湾は、2010年のランキング5位から大きく躍進。香港、オーストラリア、シンガポールは71ポイントで、第1位と僅差の第3位となった。注目すべきは、香港が2010年の第6位から第3位に順位を上げた点である。タイは、2010年は第1位だったが、2012年は65ポイントにとどまり、10ランク順位を下げ第11位となった。日本とインドはともに60ポイントで、最下位となっている。
ニュージーランドの消費者は、「基本的な金銭管理」(日常の予算管理、請求書の管理、クレジットカード利用の責任、高額の買い物に備えた貯蓄など)の項目でトップ(77%)となった。続いて第2位は、オーストラリアの消費者(75%)で、香港の消費者(72%)は2010年の第4位から順位を1つ上げて第3位となっている。
「投資」の項目のトップ3は、香港(68%)、台湾(67%)、中国(65%)となった。これらの市場の消費者は、銀行取引明細書の内容や、分散投資、インフレといった複雑な投資概念に対する理解が他の市場を上回っている。
アジア/太平洋地域の新興市場では、財務リテラシーにおいて女性が男性をわずかに上回った。女性と男性の差が最も大きかったのはフィリピン(9%)で、続いてベトナム(6%)、マレーシア(5%)となる。
韓国の消費者は、「財務計画」の項目で83%を獲得し、2010年の調査時よりも順位を12ランク上げてトップになった。台湾(83%)、ベトナム(82%)の消費者は、定期的に貯蓄を行い、退職後の資金計画や緊急の支出に対する備えを最も行っていた。
先進国では、30歳以上の消費者の財務リテラシーが、30歳未満の消費者を上回った。30歳以上と30歳未満の消費者の差が特に大きかったのは、ニュージーランド(76%対65%)、オーストラリア(74%対64%)、台湾(74%対70%)で、それぞれ30歳以上の消費者の同指標が顕著に高くなっている。