2013年2月6日15:11
マスターカード・ワールドワイド(MasterCard)は、非接触決済サービスの技術である 「MasterCard PayPass」が 2012年、アジア/太平洋・中東・アフリカ(APMEA)地域において過去最高の成長を記録し、加盟店舗数が前年比 28%増に達したと発表した。
MasterCard PayPassは、2012年第 4四半期時点で、51カ国約70万箇所の加盟店で利用することが可能だ。成長の要因としては、先月初めて非接触決済サービスを導入したベトナムのような新興市場を含む同地域において、日常の買い物で、現金に代わる迅速で便利な支払手段に対する強い需要があることが反映されているという。
APMEA地域での成長は、オーストラリア、台湾、韓国、シンガポール、ニュージーランド、南アフリカ、およびラブ首長国連邦が特に大きく寄与しているそうだ。例えば、オーストラリアでは 100米ドル未満のカード決済のうち、10分 1以上は PayPassで支払われている。シンガポールでは、2012年の Great Singapore Sale(GSS)での PayPassによる決済件数は、2011年と比べ 100倍に増加、総利用額は 54%以上増加した。ニュージーランドでは、新規に発行される消費者向けのすべてのクレジットおよびデビットカードに PayPassが搭載されている。非接触技術への消費者の需要を受け、Bunnings、Kmart、The Warehouse、Resene、Repco、BP など同国で人気の小売店で導入が進んでいるという。アラブ首長国連邦では、MasterCard は同地域で大手アクワイアラである Network International との提携を通じて非接触決済のためのインフラ構築を拡大し、2012年には、1,000店舗以上で、リーダライタを設置し、同地域でのモバイル非接触決済の準備を進めている。
加盟店舗の大幅な拡大は、オーストラリアの量販店である Coles と Woolworths、日本の NTTドコモ、および台湾の玉山銀行等との戦略的な提携を通じて実現したという。加盟店からは、純利益に大きな影響があることも報告されているそうだ。2012年の初めには、台湾の大手カード発行会社の1つである玉山銀行および大手大型スーパーマーケット・チェーンとの提携によって、両社の顧客ロイヤリティ・プログラム向上を目的として MasterCard PayPassを搭載したカードを発行した。玉山銀行が発行したカード枚数は、1年未満で 60万枚に到達。PayPass機能は、同銀行の顧客ロイヤリティ向上に貢献し、同銀行の平均値と比較すると、利用額 15%増、カードホルダーの退会率 20%減、利用頻度 10%増となっている。
2013年2月、MasterCard とベトナム有数の銀行であるベトナム・エクスポート・インポート・コマーシャル・ジョイント・ストック・バンク(Vietnam Export Import Commercial Joint Stock Bank :Eximbank)は、ベトナム国内で数百か所の加盟店とともに PayPassを搭載の非接触カードの発行を開始することを発表した。ベトナムでは、非接触決済サービスは初であり、同国の決済業界において大きなマイルストーンとなった。ベトナムでは、2015年までに現金による支払いを取引全体の 11%未満に抑え、25万箇所の加盟店を確保し、年間取引件数を2億に引き上げるという政府の取り組みにも貢献しているそうだ。