2013年7月19日8:00
キャンペーンのツイートでリアル店舗のPontaポイントが貯まる
共通ポイントサービス「Ponta」を運営するロイヤリティ マーケティング(KM)とTwitter Japanは2013年7月18日に記者会見を行い、Ponta会員がキャンペーンをツイートするだけで、リアル店舗のポイントが貯まるO2O(Online to Offline)サービスを開発したと発表した。すでにH.I.S、日本ケンタッキー・フライド・チキンのキャンペーンでの採用が決定している。
キャンペーンごとに特定の#ハッシュタグを付けてツイート
H.I.S、KFCのキャンペーンで採用が決定
今回、LMとTwitter Japanが開発したのは、Ponta会員が、Twitter上でツイートするだけで、リアル店舗で利用できるPontaポイントが貯まるサービスとなる。Ponta会員は、キャンペーンごとに特定の#ハッシュタグを付けてツイートすることにより、キャンペーン情報が拡散し、同時にキャンペーンへのエントリーが実現。あとは店舗でPontaカードを提示して商品を購入するだけで、ボーナスポイントが獲得できるという。なお、初回のみ、会員サイト「Ponta.jp」へのTwitterアカウント設定が必要となっている。
LMでは、「#Pontaスタート記念キャンペーン」 として、「#総額30万Pontaポイント」を7月18日から開始。H.I.S.では、「H.I.S.夏旅キャンペーン」として、「#夏旅をつぶやいてPontaをためようbyHIS」を8月1日から、日本ケンタッキー・フライド・チキン社では、 「カーネルズ・バースデーキャンペーン」を9月1日からスタートする。
広告販促市場でのポイント利用規模は伸長
情報共有や拡散により購買やロイヤリティ形成に貢献へ
2010年3月にスタートした共通ポイントサービス「Ponta」は、2013年7月で40カ月目を迎えた。2013年6月末時点での会員ID数は5,547万、提携社は68社(89ブランド)、提携店舗数は約2万1,900店舗となっている。ロイヤリティ マーケティング 執行役員 IDマーケティング事業本部 本部長 澤田 伸氏は、Pontaの特徴として、「ロイヤリティ マーケティングが運営に特化し、中立的なマーケティング支援を行う」、「高度な分析組織を設置し、提携者間の相互送客を支援している」、「提携社が自社独自のポイントプログラムとして活用できる」という3つを挙げている。
電通の調査によると、ポイントカードの市場規模は1兆円規模に伸長しており、総広告費で17%程度のスケールを有しており、広告販促市場において重要なポジションを確立しているそうだ。澤田氏は、「ここ数年、広告販促市場においてポイントの持つ意味が大きくなってきている」と話す。
今回、Twitter Japanとの提携の背景は、顧客価値の高いポイント力をベースとした「O2Oソリューション」の提供および「B2O2O(Broadcast to Online to Offline)ソリューション」の2つを展開していくためだという。
野村総合研究所の発表資料によると、O2Oの市場規模は120兆円(日本の小売りで300兆)あり、2012年の29.8兆円から2017年は50.9兆円に拡大する見込みである。LMでは今後も広告販促市場におけるポイントの利用規模は伸長すると考えている。LMは5,547万の会員を有しており、店頭への送客や購入促進につなげることができる強みがある。そこに、Twitterとサービスを連携させることにより、情報拡散およびリーチ拡散、エンゲージメント力を組み合せることができ、質の高いサービスを提供できるそうだ。また、LMは、Pontaの売りである「便利・おトク・楽しい」が“家でも・街中でも”広がる生活密着型サービスコンセプトであるB2O2Oを新たな事業の柱に据え、Ponta」魅力をどこでも体感してもらえる、テレビやデジタルメディアを活用した新しいマーケティングソリューションを、順次リリースしている。
Twitterユーザーに新たなメリットを提供
企業によるTwitter活用の促進に期待
Twitterは、月間のアクティブユーザーが2億人、なかでもモバイルからアクセスが60%と伸長している。1日のツイートは世界で約4億あり、その中でも日本人のツイートが多いという。特にこの1年間はスマートフォンの利用者増やテレビ番組でハッシュタグの利用を促進していることなどもあり、非常に高い成長を示しているそうだ。日本人はツイートをするのが好きな国民で、秒あたりのツイート数世界記録は2013年1月1日で3万3,388ツイートとなっている(韓国も含む)。また、秒あたりのツイート数トップ10の半分が日本からのツイートとなっている。
Twitter Japan ヘッド オブ ブランドストラテジー 葉村真樹氏は、Twitterを利用したプロモーションは売上アップの効果があるとしている。例えば、英国のデロイトが行った調査によるとオンラインゲームにおいて、Twitterでのポジティブなツイートとマス広告での露出をともに30%増大させた際の比較として、マス広告は1.6%だが、ポジティブなツイートは全体平均として6.1%売り上げが伸びたそうだ。
「昔から口コミを増やすのがマーケティングの目的であると定義している企業もありますが、それがTwitter上で可視化されて、知っている人だけの口コミだけではなく、Twitter上でフォローされている人が目に触れることによって購買行動に結びつくことを実証しています」(葉村氏)
なお、米国においては、American Expressと協力して、アカウントを連携し、特定のハッシュタグをツイートすることでディスカウントが受けられるサービスである「Amex Sync」を提供している。
Twitter Japanでは、今回のLMとの提携により、「Twitterユーザーに新たなメリットを提供できること」、「企業によるTwitter活用をさらに促進することができる」と期待している。
一方、ロイヤリティ マーケティング IDマーケティング事業本部 メディア事業ユニット ユニットマネージャー 佐藤温氏は、「Twitterの拡散力をダイレクトに提携社の購買につなげられる」と期待している。また、Pontaの提携社にとっては、「費用対効果を可視化できる」点が大きなメリットとなるそうだ。
なお、価格は約150万円からとなっており、売上をLMとTwitter Japanがシェアする形となる。売上や導入目標は非公表だが、できるだけ多くの提携社に利用してもらいたいとしている。