2014年2月17日17:19
ネットアライブと、トッパン・フォームズのグループでNFC技術を利用した電子マネー決済サービスを手掛けるTFペイメントサービス(TFPS)が協業し、TFPSが提供するクラウド型電子マネー決済プラットフォームサービス「Thincacloud/シンカクラウド」に、2014年3月よりネットアライブが販売するVEGA5000S Hが対応を開始すると発表した。
TFPSではこれまで、「Thincacloud/シンカクラウド」に対応する電子マネー決済端末の汎用化を進めてきた。電子マネー決済端末の汎用化で鍵となる技術は、EMVコンタクトレス(非接触)規格に準じたNFC端末のような低価格の海外製端末に対し、国内のFeliCa仕様に準じた認定を取得することだった。今回、TFPSでは、同端末においてソニーが提供する、FeliCa性能検定Mクラスに合格し、海外で稼働実績のあるEMVコンタクトレス端末に対してFeliCaをベースとした電子マネー決済サービスの提供を共存させることを実現した。また、NFCリーダー・ライター搭載の同端末は、すでにグローバル市場で広く販売されている端末であるため、国内電子マネー事業者、または国内FeliCa仕様に準じた製品やサービスを海外に展開する際、最小限の開発投資コストで全世界に展開が可能となる。
同端末は、磁気ストライプカードリーダー・スマートカードリーダー(接触型ICカードリーダー)・NFCリーダー(非接触 ICカードリーダー)・4 つのSAM(Secure Access Module) スロットを一体化したハンドセット型のEDC(電子的データ収集)端末となる。クレジット決済からポイントの付与、クーポン発行などさまざまなアプリケーションを1台でこなすという。特徴としては32ビット セキュアド マイクロプロセッサ搭載、大型カラー液晶、3トラック双方向磁気ストライプカードリーダー対応であるほか、通信インタフェースはアナログモデム、LAN、無線LAN、CDMA(KDDI au 網)、RS-232C、RS-485などから選択可能だ。また、高速・静音印字のサーマルプリンターも組み込まれている。
さらに、世界的認証であるPCI PED、EMV Level1、EMV Level2、EMCの取得を行っており、今後より安全で信頼性の問われるニーズに適合するという。地域内・商店街などで利用される地域電子マネー決済との相互乗り入れにも対応可能だ。同端末は、店舗での利用に加え、すでにタクシーでのクレジット決済での導入実績があると同時に、汎用小型POS端末機として宅配事業の移動体決済など、新たな多くの決済シーンを創出することが期待されている。ネットアライブとCastles Technologyでは、今回の協業を皮切りに「Thincacloud/シンカクラウド」に対応したVEGAシリーズの端末を順次展開する計画となっている。