2014年5月16日8:00
「ニッセン」が安心感のあるコンビニ後払い決済で通販サイトをサポート
通販老舗ならではのトータルサポートも売りに
大手カタログ通販のニッセンは、通販サイトを対象に「ニッセンコレクト@(あと)払い」サービスを提供している。利用者にとって安心感のあるコンビニエンスストアでの後払いの提供により、通販サイトの売上アップ、手間とコストの軽減、キャッシュフローの改善につなげる狙いだ。また、同社のインフラやノウハウを活用したテレマーケティングサービス、チラシ制作代行や通販物流支援の通販サービスなどを提供することで、通販サービスをトータルサポートしている。
通販サイトと後払い決済は親和性が高い
顧客の与信審査はリアルタイムに実施
ニッセンでは、約40年にわたり、通販サービスを展開してきた。同社の通販では、全注文に占めるコンビニ後払いの割合が半数近くある。そのため、「後払いと通販サイトにおける決済との親和性が高いことは証明されています」とニッセン BtoB本部 決済サービスチーム マネージャー 尾方敦浩氏は説明する。また、先払いや代引きによる支払いが中心の通販サイトが後払い決済を導入すると、売り上げが高まる傾向にあるという。今後も後払い決済への要望が高まると考え、2012年8月から「ニッセンコレクト@払い」を本格的に開始している。
同サービスでは、顧客が通販サイトでの商品購入の際の支払い方法で、「ニッセンコレクト@払い」を選択すると、ニッセンが利用者の与信審査を行い、同審査結果を加盟店に伝え、加盟店が顧客へ商品を発送する。顧客は受け取った商品を確認してからニッセン郵送の払込用紙を使用して、全国4万6,000店舗以上のコンビニエンスストアでニッセンへの支払いが可能だ。先行企業に比べての差別化としては、顧客の与信審査がリアルタイムにできる点だ。尾方氏は、「お客様の利便性や心理面として、早く審査の結果が出たほうがいいと考えています」と話す。
圧着ハガキによる請求により通販サイトの費用負担を軽減
通販の老舗「ニッセン」ブランドで安心感を提供
決済手数料は、請求額の4.7%、4.2%(4,700円)、3.4%(1万9,000円)、2.7%(固定費4万5,700円)の4パターン用意(カッコは固定費、税別)。請求書は、通販サイトで購入した商品到着後、2~3日で利用者に届けられる。また、請求書は商品への同梱も可能だ。請求手数料は1取引ごとに143円(税別)。尾方氏は、「通販サイトからは、請求書の手数料が高いという声がありましたが、コンビニエンスストアの場合、圧着ハガキでご請求できるため、コストを削減可能です」とメリットを口にする。
現状、導入企業は数百社。加盟店としてはファッションサイトが多いという。尾方氏は、「ニッセンは通販としてのブランドがあります。通販サイトの中には、ニッセンという名前が強くなるという懸念を抱く企業もあるかと考えましたが、逆に安心・安全なブランドとしての信頼感を提供できます」と笑顔を見せる。今後はそれに加え、化粧品、健康食品などのサービスを取り込んでいきたいそうだ。
未回収リスク保証型ということもあり、不払い時のリスクは同社が抱えるため、慎重に営業展開を進めている。与信については、ニッセン本体で後払いサービスを提供しているため、そこで蓄積されたデータと付け合せているという。利用者の未回収時の対応としては、督促状やメールなどを利用して行っている。
通販に関するトータルサービスとして後払いを提供
ニッセングループのインフラやノウハウを提案
現状、営業は自社スタッフを中心に行っている。また、外部企業とは、受注管理システムとのシステム連携を進めているという。尾方氏は、「後払いサービスを提供する他の企業では、決済サービスとして提供していますが、弊社は“通販に関するトータルサービス”として展開しています。そこが大きく異なる点です」と話す。
ニッセンのBtoB本部では、後払いだけではなく、ニッセングループが有する通販に関するインフラやノウハウ、信用力やブランド力を活用し、ビジネスサポートを提案している。例えば、長年の通販事業で培ったテレマーケティング、チラシ制作代行や発送、広告やダイレクトメールサービス、物流センターにおける物流サービスなどを展開しているが、後払いに加え、さまざまなサービスを提供できる強みがある。
今後の展開として尾方氏は、「目に見えないところでのお客様の接客をさらに強化していきたいです」と意気込みを見せる。以前は東京を中心に後払い事業の営業を行ってきたが、オペレーション事業を行う京都に営業部門を移し一体化させたことで、さらに基盤を強化している。最後に尾方氏は、「システム面の強化を進め、お客様に便利で安心して使っていただける環境を整えていきたいです。また、定期販売のニーズに合ったサービス等も考えていきたいですね」と力強く語った。