2015年2月2日20:52
Blancco Oy Ltd.の日本法人であるブランコ・ジャパンは、Android搭載スマートフォン内蔵の「モバイルFeliCa ICチップ」に記録された「おサイフケータイ」の利用データを消去する統合ソリューション「Blancco Mobile for FeliCa」の提供を開始すると発表した。
機種変更やMNPにより新しい端末を使い始める際、古い端末の「モバイルFeliCa ICチップ」に記録された「おサイフケータイ」対応サービスの利用データは、アプリの削除や端末の初期化でも一括で消去することができず、これらデータを消去するためには、端末を契約した通信キャリアのショップに持ち込む必要があった。
しかしながら、近年のスマートフォンの急速な普及と、それに伴う中古端末市場の急成長により、中古端末の下取りや利用が一般化。そのため、より手軽に「モバイルFeliCa ICチップ」内のデータを消去できるソリューションが、中古端末を取り扱う事業者から求められるようになったという。また、MVNO(仮想移動体通信事業者)市場の成長や、政府による「SIMロック解除の義務化」の動きは、エンドユーザに、それぞれのライフスタイルに合わせた多様な端末とサービスの選択肢を提供するものとして期待されており、中古端末の下取りや利用が、これまで以上に活発になると同時に、中古端末の安全な流通が重要になると同社では考える。
「Blancco Mobile for FeliCa」は、「モバイルFeliCa ICチップ」にアクセスするためのオンライン認証の仕組みとICチップの診断・消去からレポート発行までを行うPCベースのソフトウェア、そして、レポートの管理ツールがセットで提供される統合ソリューションとなる。国内主要3キャリアの端末に内蔵の「モバイルFeliCa ICチップ」のデータ消去に対応しており、スマートフォンの下取りと販売を行う事業者は、「Blancco Mobile for FeliCa」を導入することで、キャリアの垣根を越えたサービス提供が可能だ。実際のデータ消去は、非接触ICカードリーダー(Windows用パソリ)にかざすことで実行されるため、大量の端末の消去を流れ作業で行うことができるという。また、レポートの管理ツールは、ブランコの「Blancco Management Console」が、Webベースで提供されるため、消去後のレポートの取得から管理・分析までをシームレスに行うことができるそうだ。さらに、「Blancco Mobile for FeliCa」は、「モバイルFeliCa ICチップ」の消去だけでなく、チップ内の利用データの有無と故障を診断し、チップが未使用である場合も、証跡として消去レポートに記録することができるという。
なお、「Blancco Mobile for FeliCa」は、「モバイルFeliCa ICチップ」の開発とプラットフォーム事業を行うフェリカネットワークスから正式な技術サポートを受け、開発されたそうだ。
ブランコは、2010年より、スマートフォンの内蔵メモリのデータ消去製品である「Blancco Mobile」を、国内外の通信キャリアや中古事業者、モバイル活用を推進する企業向けに提供している。ブランコは、今回、「Blancco Mobile for FeliCa」と「Blancco Mobile」を同時に導入している事業者に対して、中古端末の店頭販売時に端末本体に貼ることができる、再剥離可能なブランコ・オリジナルの「データ消去済み」シールを、購入したライセンス相当分、無料で進呈するという。
また、ブランコでは、フラッシュメモリ専用のデータ消去製品である「Blancco Flash」を、提供している。そのため、「Blancco Mobile for FeliCa」の提供開始により、スマートフォンに記録されるデータに対して、包括的なソリューションが実現することになるそうだ。