2015年3月2日8:00金融マーケティングにソーシャルメディアはかかせないSocial Marketing
日本カードビジネス研究会 代表 佐藤元則
日本の金融機関の多くは、新規客の獲得や稼動率アップに頭を悩ませている。
限られた予算で効果をあげなければならない。
E-mailアドレスを獲得するにはどうすればいいか。
ウェブに誘導するためにはどんな施策が有効か。
そんな相談をよく受ける。
E-mailやウェブ最適化よりもっと効果の高いマーケティングチャネルがある。
それはソーシャルメディアだ。
しかし、残念ながら日本の金融機関のソーシャルメディア活用は遅れている。
ソーシャルマーケティングで成功するためにはどうすればいいか。
海外の事例をもとに検証してみよう。
■幾何級数的に拡散する低コストメディア
テレビ広告や雑誌・新聞広告に代って、デジタルマーケティングが注目されるようになったのは、グーグルが登場した1998年からである。ウェブサイトの最適化(SEO)やペイパークリック広告(PPC)、E-mailマーケティングが一気に花開いた。これらのマーケティング手法は、今日でもマーケティングミックスの重要な要素であることにはかわりない。
しかし、その直後の21世紀に入ると、フェイスブックやユーチューブ、ツイッターなどのソーシャルメディアがつぎつぎに萌芽し、これらを活用したマーケティングに注目が集まるようになった。情報をシェアするコミュニティ、というコンセプトが新鮮だった。
情報を発信する個人や企業に共感する人たちが、そのソーシャルメディアをフォローする。企業と人、人と人とのつながりで、その情報は幾何級数的に拡散するのだ。ソーシャルメディアのパワーは凄まじい。このシェアリングという行動を活用したのがソーシャルマーケティングである。
個人の行動にいつも寄りそうスマートフォンやタブレットの爆発的な普及はまた、ソーシャルメディアの膨張を加速している。ソーシャルメディアを上手に活用すれば、企業のブランドロイヤルティを高め、新規顧客の獲得や、既存顧客との長期的な関係強化ができる。しかも低コストで。
米国のマーケターを対象にした調査(上図)によると、ソーシャルメディアの特徴のトップは拡散効果だった。ついでトラフィック拡大、ロイヤルファンの開拓、市場考察とつづく。ビジネス提携先の開拓やマーケティング費用削減、売上改善効果も半数以上が同意している。ソーシャルマーケティングはその効率性から世界中で使われるようになってきた。