2015年6月4日12:32
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.(American Express)は、グローバル企業の財務責任者(CFO)565名を対象に過去7年間行っている意識調査「アメリカン・エキスプレス/CFOリサーチ グローバル・ビジネス・スペンディング・モニター2015」の結果を発表した。
今回の調査で顕著だったのは、日本の CFO は過去 2 年、国内市場に成長の機会を見いだしていたが、今後は海外市場により期待していることが明らかになった。さらに、日本企業の投資水準は昨年と比べて大きな変化はないものの、徐々に積極的な投資から支出・投資の管理を強化する方向へとシフトしていることが分かったという。
まず、日本の回答者の52%は、今後12カ月の間に「景気が良くなる」と回答。引き続き半数以上の CFO は国内経済について明るい見通しを持っているものの、過去2年(2014 年:55%、2013年:67%)と比べると期待感は若干、低下傾向にある。
さらに、企業の成長に影響を与える要因について聞いたところ、日本の回答者の6割以上は「日本以外の国の経済」が自社の成長に最もポジティブな影響を与えると考えている。昨年の調査結果では、「国内経済」が最も高い要因であったことからも、日本の CFOはは、自社の成長の機会を国内から海外に見いだそうとしていることが分かったという。
新興国市場のどこの国で今後、売り上げや販売チャネルを拡大したいか、という質問に対しては、日本企業の財務責任者は、ベトナム(35%)、中国(29%)、タイ(26%)でのビジネス成長に最も注力したいと回答した。さらに、58%の日本の回答者は、昨年と比べて海外への輸出ビジネスが自社の成長により重要になると答えている。
世界の財務責任者にどの新興国で海外ビジネスを強化したいか尋ねたところ、中国が引き続き最も重要な市場であることが明らかになった。加えて、ブラジル、メキシコ、アルゼンチンなどのラテンアメリカ諸国への注目も高まっている。
さらに、同調査で日本のCFOの10人中7人は、今後1年間に支出や投資を「積極的(16%)」もしくは「ある程度(61%)」増やすと回答。この傾向は昨年とほぼ変わらないものの、「利益を確保するために支出や投資をしっかり管理する」と回答した CFO は昨年より 10%上昇し、23%となった。さらに、投資水準が昨年と比べて30%以上増加すると回答した企業は昨年の7%から 0%に減った一方、昨年と同じレベルになると回答した企業は昨年の10%から16%に増加した。
また、諸外国を見てみると、日本以外にも米国、ロシア、ドイツなど多くの国の CFO は積極的な投資よりも支出・投資管理を重視していることが分かったという。
支出の内容では、「新商品・サービスの開発」や「セールス・マーケティング活動」のための投資が高くなる見込みだ。さらに、人材面では、ITスタッフ(37%)およびセールス・マーケティング職(26%)が不足しているとの回答が最も高かったことから、IT技術職に加えて、セールス・マーケティング活動の拡大に向けて採用が増えると見込まれるという。