2015年6月9日20:10
ソニーは、兵庫県神戸市および神戸市薬剤師会と、非接触ICカード技術FeliCaを利用した電子お薬手帳サービスharmo(ハルモ)を活用した市民の健康増進に関する協定を締結した。
同協定は市民の健康保持、増進等を目的とし、三者でharmoの有効利用を推進していくことを趣旨としている。具体的には、持ち運びに優れるカードの特長を活かしてharmoの情報を基に医師、薬剤師からアドバイスを受ける機会を増やすことや、情報管理に優れるスマートフォンアプリの特長を活かして、飲み忘れの防止、家族による服薬支援を実現すること等を通じて、健康保持、増進に寄与していきたいとしている。
harmoは神奈川県川崎市での初導入の後、全国各地に試験サービスエリアを拡大し、現在までに約300の薬局に導入され、約1万2,000人の一般利用者がいるという。
2015年3月には滋賀県、兵庫県神戸市、大阪府豊中市の薬局へ、翌月4月からは神奈川県横浜市と埼玉県さいたま市の薬局へ、各地域の薬剤師会と連携し試験サービスの提供が開始された。その後5月から、北海道札幌市の「手稲区保健情報連携システム検討会」と連携して、札幌市手稲区の医療機関に対する試験サービス提供が開始されている。
このほど6月から、世田谷薬剤師会と連携し東京都世田谷区の薬局への提供を開始し、加えて東京都文京区の水野薬局に対し、試験サービスの提供を開始していく。
なお、harmoは、薬局等で調剤された薬の履歴等に関するデータを、FeliCaを用いてクラウドサーバー上で電子的に管理する、ソニーの電子お薬手帳に関するサービスの名称となる。薬の名称や量、服用回数、飲み方などの調剤情報を記録するお薬手帳は、複数の医療機関で薬が処方された場合でも、医師や薬剤師が薬の重複や飲み合わせのチェックを行う際に役立つものとなる。harmoは、FeliCaチップが埋め込まれたカードを薬局の端末にかざすだけの操作で、調剤履歴の閲覧と調剤情報の記録を行うことが可能だ。
harmoは、利用者の個人情報とデータを分離し、データのみをクラウド上のサーバーに保存することで、セキュリティレベルがより高いクラウドサービスとしてこれを実現すると同時に、個人情報を含まないデータを利用者の同意を得た上で蓄積し、統計データを有用に活用するための仕組みを提案しているという。
利用者は、スマートフォン用アプリケーションをインストールしたモバイル端末から調剤情報を閲覧できるほか、服薬後の副作用、アレルギーなどの記録も可能だ。また、薬局は専用のソフトウェアをインストールしたパソコンおよびタブレット、およびカードリーダー等を用意することで、システムを構築できるという。