2015年5月11日20:16
ソニーは、非接触ICカード技術FeliCa(フェリカ)を利用した電子お薬手帳サービスharmo(ハルモ)の試験サービスエリアを拡大すると発表した。
2015年6月より一般社団法人世田谷薬剤師会と連携し、新たに東京都世田谷区の薬局に対して、試験サービスの提供を開始する。加えて、東京都文京区の水野薬局へも試験サービスの提供を開始するそうだ。
harmoは2013年に神奈川県川崎市へ初導入した後、全国各地に試験サービスエリアを拡大し、現在までに250を超える薬局に導入され、約1万1,300人の一般利用者に利用されている。2015年3月には滋賀県、兵庫県神戸市、大阪府豊中市の薬局へ、2015年4月からは神奈川県横浜市と埼玉県さいたま市の薬局へ、各地域の薬剤師会と連携して、試験サービスの提供が開始された。
harmoは、薬局等で調剤された薬の履歴等に関するデータを、非接触型ICカード技術FeliCaを用いてクラウドサーバー上で電子的に管理する、ソニーの電子お薬手帳に関するサービスの名称となる。FeliCaチップが埋め込まれたカードを薬局の端末にかざすだけの簡単な操作で、調剤履歴の閲覧と調剤情報の記録を行うことが可能だ。薬の名称や量、服用回数、飲み方などの調剤情報を記録するお薬手帳は、複数の医療機関で薬が処方された場合でも、医師や薬剤師が薬の重複や飲み合わせのチェックを行う際に役立つものとなる。
また、利用者の個人情報とデータを分離し、データのみをクラウド上のサーバーに保存することで、セキュリティレベルがより高いクラウドサービスとしてこれを実現すると同時に、個人情報を含まないデータを利用者の同意を得た上で蓄積し、統計データを有用に活用するための仕組みを提案している。
利用者は、スマートフォン用アプリケーションをインストールしたモバイル端末から調剤情報を閲覧できるほか、服薬後の副作用、アレルギーなどの記録も可能だ。また、薬局は専用のソフトウェアをインストールしたパソコンおよびタブレット、カードリーダー等を用意することで、容易にシステムを構築できるという。