2015年11月19日8:00
国際ペイメントブランドのJCBは、アジアでの展開を強化しているが、人口2億5,000万人強を誇るインドネシアにおいて1983年より加盟店網の拡大に取り組んでいる。現在、インドネシアでも6行の大手銀行、2社のATMネットワーク事業者と提携している。加盟店開拓については、VisaやMasterCardよりもカバー率は低いものの、9割程度まで高まっているそうだ。
3行でJCBカードを発行
現在、イシュアとしては3行でジェーシービーカードを発行しているが、「プレミアム会員に対しての発行を中心にイシュイング(カード発行業務)を強化しています」とPT JCB International Indonesia President Director(取締役社長)門脇裕一郎氏は話す。JCBでは、バンク・インターナショナル・インドネシア(Bank Internasional Indonesia:BII)との提携により、2012年6からJCBブランドのプラチナカード「BII-JCB Platinum Card」を同国で初めて開始。PT. JCB International Indonesiaでは、PT. CIMB Niaga Tbk(CIMBニアガ)が2014年10月から、JCBプラチナの上位券種「ULTIMATE」(アルティメット)を発行している。また、バンク・ラクヤット(PT. Bank Rakyat Indonesia(Persero)Tbk:BRI)では、2016年以降、JCBカードの発行を開始する予定だ。
メイバンクでは富裕層の中位ランクを中心にJCBカードを発行
「第14回JCB世界大会」で講演した、PT Bank Maybank Indonesia Tbk(メイバンク)でもJCBのプラチナ券種は重要な役割となっている。メイバンクは70万枚のクレジットカードを発行しており、富裕層向けのカードを上位、中位、下位の3つに分類している。JCBプラチナは中位のランクを中心に発行。メイバンクは、日本のマーケットにも他行に先駆けて参入している。インドネシアにいる日本人1万6,000人のうち、同行の普及率は30%となっている。また、日本企業の約35%と関係を持っており、ジャパンデスクを設けるなど、日本人のニーズを理解したうえでサービスを展開するなど、バンキングサービスを強化している。
カードホルダーの割合をみると、日本人の比率が高くなっており、カードの発行率は180%以上増えている。JCBプラチナムは、メイバンクのプラチナム券種の15%を占めており、売り上げは200%以上伸びているという。加盟店のアクワイアリング(加盟店開拓)も13%以上成長しており、開拓後の売り上げの伸びも74%となるなど、同行にとって重要なカードとなっている。
JCBは、2012年にインドネシアの市場に再参入(2009年にいったん撤退)したが、同国においてのプラチナカードは、他のカードブランドに比べても人気のカードとなるそうだ。