2016年5月31日8:00
アマゾン(Amazon)は、何を提供している企業だろうか。
15年前、同様の質問をすれば迷わず書籍販売の企業だという答えが返ってきただろう。
しかし現在では書籍はもちろんのこと、 食料品、音楽、映像コンテンツ...
アマゾンでそろわないものはないといってよい。
展開国は2015年10月現在14カ国、アクティブ会員数は約3億人。
インターネットの発展とともに、アマゾンは人々のライフスタイルを変えた代名詞となっている。
さらに進化しつづけるアマゾンは、ライフスタイルとともに決済サービスも変えようとしている。
顧客のニーズを叶えるとともに、どのような決済サービスを提供し、
決済業界にとってどのような存在なのか考えてみたい。
■成長をつづけるアマゾン
アマゾンとは南米の世界最大級アマゾン川から命名された。その名のとおり時代の流れにのり、さまざまなサービスを世界中に展開。自らも時代の流れをつくっている企業といえよう。
インターネットの書籍販売サービスとして1994年に設立。1995年7月から米国でサービスを開始し、すでに20年が経過した。この20年アマゾンは、世間が想像できないようなサービスをつぎつぎに世の中へ送り出してきた。
設立者でもあり現在のCEOであるジェフ・ベゾス氏は金融と密接な関係がうかがえる。彼は大学卒業後、証券会社や投資銀行のシステム構築をおこなうスタートアップへ就職。その後、投資銀行のバンカーズ・トラスト・カンパニー、金融システム会社のD・Eショーへと転職、1994年に妻のマッケンジーとともにアマゾンの前身であるカタブラ(Cadabra)を設立した。ジェフ・ベゾス氏の背景には金融の知識があったため、インターネットを活用したサービスやさまざまな決済サービスを実現できたのかもしれない。
アマゾンは、書籍というどこの店舗で購入してもかわらない商品を、低価格で提供したところからビジネスははじまった。その後1997年にNASDAQへ上場、1998年には英国、ドイツへ展開し2000年11月には日本にも上陸した。
ここから今のアマゾンに通じるさまざまなサービスがスタートする。2005年には有料会員サービスAmazon Primeを開始、2007年には書籍販売のスタイルを変えたKindle販売。その後、加盟店や顧客向けの金融サービスをリリース。2012年には加盟店向けの融資サービスAmazon Lending、2014年にはモバイルPOS、Amazon Local Registerをリリース。2013年には顧客向けの決済サービスLogin and Pay with Amazonを開始。決済の利便性が高まるサービスを拡充している。