2016年6月7日8:00
多通貨決済や新韓カード、国際ブランドの非接触決済、日本の電子マネーに対応
阪急阪神第一ホテルグループは、2016年4月21日より順次、訪日外国人向け決済サービスとして、外貨建てカード決済サービス、韓国最大のカード会社「新韓カード」が発行するハウスカード「新韓(シンハン)カード」、Visaの「Visa payWave」、MasterCardの「MasterCard Contactless(旧MasterCard PayPass)」の取り扱いを開始した。また、交通系電子マネー、「楽天Edy」、「WAON」、「nanaco」といった国内で普及している電子マネーにも対応することで、売店や飲食など、少額の決済の利便性向上を図る。さらに、阪急阪神グループの共通ポイントプログラム「Sポイント」の開始により、ホテル以外での利用でもポイントが貯まり、使えるようになった。
直営ホテルすべてでマルチ決済に対応
2015年の外国人宿泊数は前年対比1.5倍に
阪急阪神第一ホテルグループは、直営18ホテル、フランチャイズを含めグループ計45ホテルを展開している。このほど、顧客利便性を向上させるため、直営ホテルのすべてでマルチ決済への対応を行った。
阪急阪神第一ホテルグループの直営ホテルでは、昨今の訪日外国人観光客の増加に伴い、2015年(1~12月)に宿泊した外国人客数は前年対比約1.5倍になった。立地によって、訪日外国人の比率は異なるが、梅田などは50%の利用率があり、平均しても約40%まで高まっているそうだ。また、首都圏で展開されている交通系電子マネーなど、国内で普及している各種電子マネーへの要望も増えてきた。
阪急阪神第一ホテルグループでは、クレジットカードに加え、2010年から銀聯、ポストペイ電子マネー「iD」、交通乗車券や買い物に利用できる関西の多機能ICサービス「PiTaPa」を導入していた。例えば、銀聯もスタート当初はそれほど利用率が高くなかったが、「次第に浸透が進み、取扱額は倍々でも増えており、多くの方にご利用いただいています」と阪急阪神ホテルズ 広域事業本部 営業推進部 CRM推進課長 平島圭氏は成果を口にする。
従来からINFOX端末を利用していたが、「このほど端末の更新時期と重なったことから、カード会社の三井住友カードと話し合う中で、マルチ決済への対応を決めました」と平島氏は話す。端末は、パナソニック製の「JTC16」を利用している。
多通貨決済は先行導入の新橋で利用者に好評
韓国でもっとも利用されている新韓カードの利用にも期待
多通貨決済サービスについては、新橋で先行して導入していたが、訪日外国人旅行者の反応も良かったため、直営全店で導入することとなった。平島氏は、「新橋の傾向を見ると、自国通貨を選択される方が多いです」と口にする。
また、九州カードを通じて、韓国でもっとも多くの人が利用するハウスカード「新韓カード」を導入しているが、今後の需要拡大が見込めると期待する。同事業部 営業企画 チーフ 山野敬太氏は、「訪日外国人の比率をみると、最もご利用いただいているのは中国・台湾・香港の方ですが、次いで韓国と米国の旅行者が多いため、一定のボリュームは見込めると考えています」と話す。
「Visa payWave」と「MasterCard Contactless」は三井住友カードの提案で導入
レストランや喫茶では電子マネーの少額決済で利便性向上へ
「Visa payWave」と「MasterCard Contactless」については、三井住友カードからの提案を受け、今後の国内での浸透を見据えての導入となった。
電子マネーは、交通系電子マネー、「楽天Edy」、「WAON」、「nanaco」の主要な電子マネーに対応。宿泊はクレジットカードや銀聯の利用が多くなると思われるが、「レストラン、喫茶、売店などで便利にお使いいただけるようになります」と平島氏は説明する。
Sポイントのカードは従来のホテル会員に送付
今後はフランチャイズにもマルチ決済を導入へ
なお、阪急阪神第一ホテルグループでは、阪急阪神グループのポイントサービス刷新を受け、共通ポイントサービス「Sポイント」を2016年4月21日から導入している。Sポイントは、直営店に加え、チェーンホテルでも使用可能だ。Sポイントについてもパナソニック製の決済端末で処理が行える。
「弊社では、従来から会員サービスの一環として独自のポイントサービスを提供していましたが、ポイントはホテルでしか貯まりませんでした。今回、ショッピングセンターまで拡大しましたので、相互利用が可能になります。すでに既存のカード会員にはカードをお送りしています」(平島氏)
今後は、直営店に加え、フランチャイズにもマルチ決済の導入を進めていく。直営店同様の決済端末を導入するが、利用する決済手段については、地域特性などを踏まえ、地域のオーナーに選択してもらう予定だ。
阪急阪神第一ホテルグループでは今後も、訪日外国人客をはじめ国内外のお客さまに対し、より利便性の高いサービスの提供に努めていきたいとしている。