ホームセンター業界初の共通ポイント導入、ジョイフル本田で「Tポイント」が開始

2016年6月16日8:00

茨城県民の64%が利用するTカードを活用し、”データベース・マーケティングの実現”を目指す

ジョイフル本田とTポイント・ジャパン(TPJ)は、2016年6月15日に茨城県土浦市のジョイフル本田本社で記者会見を開催し、ジョイフル本田ニューポートひたちなか店を皮切りに、2016年6月29日より順次Tポイントサービスを導入すると発表した。ジョイフル本田でのTポイントサービス開始は、ホームセンター業界初の共通ポイントサービスの導入となる。

左からジョイフル本田 代表取締役社長  矢ケ崎 健一郎氏、T ポイント・ジャパン 代表取締役社⻑兼 COO 北村和彦氏。カードはDIYをイメージできる木目調のデザイン。白い模様は木坂行に必要な道具類をちりばめたデザイン
左からジョイフル本田 代表取締役社長 矢ケ崎 健一郎氏、T ポイント・ジャパン 代表取締役社⻑兼 COO 北村和彦氏。カードはDIYをイメージできる木目調のデザイン。白い模様はDIYに必要な道具類をちりばめたデザイン

Tポイントの導入で競争力を強化
顧客との強い関係性の構築を

ジョイフル本田は、1975年創業で、今年41年目を迎える。ホームセンターでは草分けの1社で、15店舗のホームセンターを展開している。同社では、日用雑貨や日用消耗品の販売、職人や農家などに対しての資材、DIY(日曜大工)など、他のホームセンターと比べても豊富な品揃えと在庫量を誇る。店舗当たりの売上高が108億円(13.2億)、客単価3,072円(1,999円)、取扱商品点数44万点超(4.8万点)、商品回転数8.3回転(4.5回転)と、すべて業界平均を上回る(カッコは業界平均)。

また、売り場面積5万㎡以上の大型店も6店舗あり、ジョイフル本田に加え、アート・クラフトの大型専門店を展開するホンダ産業、住宅リフォーム専門店を展開するスマイル本田、会員制スポーツクラブを運営するジョイフルアスレティッククラブ、車検・整備、タイヤ等販売・取付けのジョイフル車検・タイヤセンターが帯同出店し、「ジョイフル本田タウン」を形作っている。例えば、ニューポートひたちなかでは、年間720万人が来店し、23万9,000㎡と最大規模の敷地面積を誇る。

ホームセンター市場をみると、1990年以降、市場は一貫して伸びている。しかし、2000年以降は業態間競争の影響を受けて、成長率は鈍化。また、2011年の東日本大震災を境に、出店ペースは加速するものの市場規模は4兆円で横ばいの状況だ。

その背景として、近年、日用品や雑貨は同質化競争となっている。また、インターネットの普及など、時代の変化やライフスタイルの多様化も大きい。そういった中で今後は競争力の強化、情報活用による新たなマネジメント体制の構築、顧客視点・戦略視点による顧客との強い関係性の構築が必要と考え、ジョイフル本田ではTポイントサービス導入に至った。

Tポイント導入により顧客との関係を強化
Tポイント導入により顧客との関係を強化

2016年9月初旬までの全店導入を完了へ
ビッグデータを商品開発や売場作りへ活用

共通ポイントサービスの魅力として、使える場所が多く、1枚にポイントを集約できる。また、すでに5,854万人の会員基盤を有しているため、最初の目的である、顧客との関係を築く情報収集が可能になる。さらに、Tカードから得られたデータを活用し、利用者がどのエリアから何回来店するかを分析し、商品展開や売り場づくりに生かすことが可能だ。

 

「Tポイントの知名度は期待しています。既存店の周りでも来ていただいていない人もいるはずです」(ジョイフル本田 代表取締役社長 矢ケ崎 健一郎氏)

また、Tカードのビッグデータを、販売促進のみならず商品開発や売場作りへ活用することでの提案力向上、今後の店舗開発など、さまざまな分野で積極的に活用を検討している。すでにジョイフル本田では、データ分析に詳しい人材も採用したそうだ。

ジョイフル本田では、買い物時に買い上げ金額200円(税抜)につきTポイントが1ポイント貯まり、貯まったTポイントは1ポイント=1円分としてジョイフル本田に加え、Tポイントの提携社で利用できる。ジョイフル本田ニューポートひたちなか店よりサービスを開始するが、2016年9月初旬までに全店へのTポイントサービス導入を完了させる予定だ。

また、Tポイントサービス開始に先駆け、現在、Tカードを保有していない人に向け、ジョイフル本田店頭でオリジナルデザインのTカードを発行する。

5,854万人のアクティブ・ユニークユーザーが利用
月で4,191万会員、週で2,561万会員が稼働

今回のホームセンターへの導入は、「Tポイントにとって初めての業態になる」とT ポイント・ジャパン 代表取締役社⻑兼 COO 北村和彦氏は話す。Tポイントは、2016年4月末現在、年間で5,854万人の会員数を有している。すでに総発行枚数は1億7,000万枚を超えているが、日本の国民以上に発行されているデータを公表しても信憑性がないという理由から、アクティブ・ユニークユーザー数を公表している。

T会員数
名寄せ後のT会員数

T会員のクラスターとして、男性が2,573万人(男性人口の41.6%)、女性が2,773万人(女性人口の42.3%)となり、ドラッグストアやスーパーの加盟が増えているため、女性比率がやや高い。また、日本総人口の46%が利用しており、中でも20代は75.8%の比率を誇る。さらに、2016年4月末時点での月のアクティブユーザーは4,191万人、週でも2,561万人が利用している。ポイントアライアンスも拡大しており、2016年4月末現在、148社、52万3,386店舗となる。また、Tカードの発行拠点も57企業、4万613カ所となっている。

T会員のクラスター
T会員のクラスター

茨城はT会員数で全国2位
ジョイフル本田が複数の共通ポイントからTポイントを採用した理由とは?

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茨城県のT会員状況。40~44歳の女性は100%に近い保有率を誇る

ジョイフル本田が本社を構える茨城県は、Tカードの保有率が沖縄に次いで高い。T会員比率は県民の64%となっており、つい最近沖縄に抜かれるまでは一位をキープしていた。

今後は、茨城のTポイント提携店舗との連携なども実施可能だ。また、TSUTAYAなどではPOSクーポンの施策を行っており、未利用者への送客などを促すこともできる。また、メール、紙の販促ツールに加え、アプリの展開も強化している。

なお、ジョイフル本田とTポイント・ジャパン、ポイントプログラムで業務提携。ポイントサービスの検討時には、他の共通ポイントも含め、検討したという。その結果、茨城県内での会員数が多いTポイントに魅力を感じ、採用に至った。

ジョイフル本田では、まずは全店導入後、数カ月かけて顧客購買体系を明確化し、次に有効な施策を具体化していく方針だ。

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