2016年7月27日16:32
ソニーは、非接触ICカード技術FeliCaと個人情報に配慮したクラウドシステムを用いて、利用者を起点として機能する医療・健康情報連携プラットフォームを事業化すると発表した。同プラットフォームは短期間で導入することができ、導入施設は個人を起点とした健康情報の連携を容易に行うことが可能となる。
FeliCaは交通系や電子マネーで実績のある非接触ICカード技術。利用者は専用のカードを施設の端末にかざすだけの操作で、データの開示・記録を行うことができる。また、同プラットフォームを支える個人情報に配慮したクラウドシステムはソニーが独自開発した情報分離技術を基礎としている。
個人を特定する情報はICカードに、健康情報等のデータはクラウドサーバーに、各々暗号化のうえ分離して保存をするため、万が一のサーバー情報流出時でも情報の所有者を容易に特定できないため、セキュリティレベルを高く保つことができるという。利用者がICカードを導入施設の端末にかざすことで情報を結合させる仕組みとなる。
ソニーは医療・健康情報連携プラットフォームを活用した具体的なサービスとして、2016年7月より電子お薬手帳サービスharmo(ハルモ)の事業を商用サービスとして開始した。同社では2011年秋以降、医療・健康情報連携プラットフォームが実社会の中で実効的に機能することを確認する目的で、地域を限定して電子お薬手帳を用いた試験サービスを展開してきた。同試験サービスを通じて、harmoの有用性は調剤薬局にとどまらず、病院・診療所・歯科診療所等、幅広い領域の施設で認められ、2016年7月現在、全国10都市で合計約880カ所の医療機関や調剤薬局が導入しており、7万5,000人を超える人日に日々利用されている。