2016年11月3日9:00
株価が1年前の約2割に急落したレンディングクラブ。マーケットプレイス融資のポートフォリオが悪化し、投資家(融資家)へのリターンが減少しているからだ。
2014年12月に株式公開した時の株価は24.69ドル。それが今では5ドル付近で推移している。
創業CEOが不祥事で退任したのが5月。新CEOが投資家のリターンを増やすために打った一手は、借り手の金利を上げるというものだった。
レンディングクラブは2015年11月から今年の4月までに、金利を加重平均で1.35%上げている。それをさらに0.26%アップするという方針を打ち出した。
銀行よりも安く借りられるというのがレンディングクラブの魅力だが、借り手を無視した施策を打とうとしている。与信基準もタイトにするという。
金利を上げる背景には、投資家のリターンを増やすという理由だけではなく、不良債権の増加がある。レンディングクラブの予想よりも延滞と貸倒率が高い。
金利を上げれば借り手は減る。真水を入れなければ、ポートフォリオは悪化の一途をたどる。銀行以上の精度だと誇っていたリスクマネジメントだが、実際は銀行よりずさんな管理だった。