2017年1月12日10:09
STマイクロエレクトロニクスは、ウェアラブル機器向けモバイル決済ソリューションをパートナー企業と共に開発したと発表した。同ソリューションは、スマートウォッチなど、各種ウェアラブル機器へのモバイル決済機能の搭載を加速させる可能性があるという。
ST、G&D社およびFitPayは STのセキュア・チップを使用し、ハードウェアとソフトウェアで構成されるセキュア・ソリューションを共同開発した。同ソリューションは、 MastercardやVisaのトークン決済機能を統合したシステムの開発を行う機器メーカーの使用について、事前の認証を取得している。これにより、モバイル機器へのカード決済機能の搭載が容易になり、ウェアラブル機器メーカーは製品開発に注力することが可能となる。 一方、ユーザーは、同ソリューションにより、さまざまな銀行や異なる決済ネットワークの決済用カードをウェアラブル機器で柔軟に利用でき、機器のOS(オペレーティング・システム)を問わず、非接触型決済を行えるようになるそうだ。
同ソリューションには、モバイル決済アプリケーションに対応したセキュア・オペレーティング・システム(G&D製)、ペイメント・アプリケーション管理ソフト(FitPay製)、ハードウェア・コンポーネントが含まれており、暗号化処理を実行し、耐タンパ性を向上させるSTのST54Eセキュリティ・チップ(eSE : エンベデッド・セキュア・エレメント)を中心に構成されている。
ST54Eに加え、同リファレンス設計にはNFCブースタのSTS39230が搭載されており、 決済端末との非接触通信をサポートする。また、小型アンテナ、ジェスチャ認識による決済に必要なMEMS加速度センサ(LIS2DS12)、Bluetooth Smart IC、USBバッテリ充電IC、 および超低消費電力32bitマイクロコントローラ(STM32L4シリーズ)を使用することができるという。