2017年3月31日8:00
今後も徐々に電子決済比率は増加すると想定
日本三名園の1つ、岡山後楽園では、2016年9月1日から、クレジットカード・電子マネーでの入園料の支払いを開始した。近年、急激に増加している外国人観光客からのニーズや、岡山だけなく、日本国内で急速に普及している電子マネーにも対応することにより、国内外からの観光客や地元の入園者の利便性向上を目指している。
2016年度は外国人の入園者が3割増加
主要な電子マネーをすべて網羅
岡山後楽園の入園者は2015、2016年度と順調に推移している。それまでは60万~70万人で推移していたが、2015年度は80万人を超えており、そのうち10万人弱は外国人となった。2016年度は85万~90万人の入園を想定しているが、外国人が30%増で伸びている。
その理由として、1つはミシュランのグリーンガイドで三つ星評価を得たこと、春や夏・秋の夜間特別開園「幻想庭園」(ライトアップ)といったイベントを年間を通して実施したことが挙げられる。さらに、岡山後楽園の周囲に集積する各種文化施設により構成される岡山カルチャーゾーン連絡協議会では、各施設が協力し、周遊マップを作るなどの取り組みを行っている。訪日外国人旅行者(団体)の入園者は、台湾からが最も多く、香港、中国、韓国など、アジアからの旅行者が目立つ。また、個人旅行では欧州からの観光客も増えているという。
クレジットカードと電子マネーについては、中国銀行から導入。同時に中国銀行では岡山城へも導入したという。主要なブランドのクレジットカードや銀聯に加え、「QUICPay」、「iD」、「nanaco」、「ICOCA」等の交通系電子マネー、「楽天Edy」、「WAON」と、全国で利用できる主要な電子マネーにはすべて対応した。岡山県後楽園事務所 次長 石原晋氏は、「中国銀行とは2014年6月5日締結の『岡山県と株式会社中国銀行との連携と協力に関する包括協定』の一環として、電子決済の導入を進めました。幅広い決済手段への対応は、お客様にも喜んでいただけると考えました」と説明する。
全支払いの2%が電子決済
窓口のスタッフからは釣銭の管理が減る期待も
2016年12月までの状況を見ると、全決済の2%弱が電子決済を利用している。石原氏は、「導入前に話をうかがった他の施設などの状況を踏まえると、想定よりは電子決済が利用されていると認識しています。また、2016年12月は2.5%の比率となっており、徐々に浸透してきていると感じています」と話す。岡山後楽園では、今後も電子決済の比率は増えていくと想定している。
今後、電子決済の比率がさらに高まれば、窓口のスタッフの釣銭の管理の手間が減るといったメリットも出てくると期待されている。