2017年4月25日9:00
例えば日本の交通系電子マネーを落としたとしよう。そのカードの残高は拾った誰かに使われてしまう。阻止しようとしてもできない。
それは電子マネーのトランザクションが、カードと端末間だけで決済されるからである。リアルタイムにトランザクションがネットワークに連携されないため、カードの残高は誰でも使えてしまう。
これをオフライン取引という。現在欧州の非接触決済のうち45%がオフラインだ。欧州や豪州で非接触決済が浸透するにしたがい、カードの不正利用が問題視されるようになってきた。
英国を含む欧州では、消費者保護の観点から非接触決済のオンライン化を進める動きが加速している。英国の金融執行機関(FCA)は、非接触カードの紛失盗難の連絡を受けたカードブランドや発行会社に対し、すぐにトランザクションを止められる施策を取るよう要請した。
これを受け、Visaは2017年中に欧州10カ国で、非接触決済のオンライン化を推進することになった。Amexはフロアリミットをゼロにすることも含め検討している。