台湾でも利用できる日本のPontaアプリ、今後は国をまたいだ共通ポイントの付与が加速するか?

2017年10月6日11:30

日本では、Tポイント・ジャパンの「Tポイント」、ロイヤリティマーケティングの「Ponta」、楽天の「楽天ポイントカード」、NTTドコモの「dポイント」など、複数の店舗で共通して使えるマルチポイントがしのぎを削っているが、レポート「ポイントカード・ロイヤリティマーケティング市場要覧」でも紹介しているように、海外でも複数の地域でマルチポイントプログラムが展開されている。近年では、日本の事業者が海外の力のある事業者と連携する動きも目立つ。

日本の「Pontaカード(公式)」を切り替えて利用可能

ロイヤリティマーケティングでは、日本のPonta会員が海外でも共通ポイントが貯まる・使える、スマートフォンを活用したサービスの提供を2016年11月1日から台湾を皮切りに開始している。まずは、台湾の「得易Ponta」対象提携店舗でポイントが貯まるサービスを開始したが、記者が現地の店舗で実際に利用してみた。

スマートフォンアプリ「Pontaカード(公式)」の利用者は、台湾「得易Ponta」の対象提携店舗にて、「Pontaカード(公式)」内の得易Pontaを提示することで、ポイントを貯める・使うことが可能だ。

ただし、日本のPontaと得易Ponta(台湾)では、Pontaのカード番号が異なり、共通利用できないため、日本の「Pontaカード(公式)」のバーコードをそのまま提示してもポイントは貯まらない。台湾での利用前に得易Ponta(台湾)への切り替えが必要となる。「Pontaカード(公式)」の「海外でもたまる、つかえる」から、得易Ponta(台湾)の台湾専用カードに簡単に切り替えることができる。

台湾では、OK Martで実際に利用した。ポイントの付与は得易Ponta(台湾)の台湾専用カードを表示し、レジのスキャナで読み取ることによりポイントを貯めることが可能だ。日本同様にアプリを立ち上げれば、簡単にポイントを貯めることができる。購入10元につき3Pontaポイントを貯められ、25ポイントを1元として利用可能だ。

台湾専用カードのポイントは、店舗でアプリを提示してから2日後までにすべてのポイントが加算される。台湾で貯めたポイントは、日本のPontaポイントに自動的に移行され、日本国内で利用することが可能となる。Ponta台湾会員用ポイントは、最後にポイント変動(ボーナスポイント等の加算を含む)があった月の翌月15日以降に、自動でPontaポイントへ交換され、当月末までに加算される予定。また、Ponta台湾会員用ポイントの10ポイントに満たない端数は、Pontaポイントへ交換されない。

海外でポイントが貯まるのは魅力に映るが、台湾では利用できる店舗は少ない印象を受けた。まず、OK Martは、セブン-イレブンなどに比べ、台北の街中で見かけることは少なかった。また、OK Mart以外では、Hi-Lifeや度小月(飲食店)などで利用可能だが、さらなる利用店舗の拡大が期待される。

現状、得易Pontaは現地会員数610万人で、Ding Ding Integrated Marketing Service Co., Ltd.(DDIM)が運営し、1,400万人が利用する「HAPPY GO」に比べて半数以下となっている。

OK MartではのぼりでサービスのPRが行われていた(筆者撮影)

ロイヤリティマーケティングは5つのポイントと連携へ

なお、ロイヤリティマーケティングでは、2015年12月より台湾の共通ポイント「得易Ponta」会員向けに日本でPontaポイントが貯まるサービスを提供し、2016年11月より韓国の共通ポイント「OKキャッシュバック」会員向けにサービスを拡大している。また、2018年春頃をめどに、マレーシアの「Bonus Link」会員、インドネシアの「Ponta」会員向けに拡大するなど、日本に訪れた人がポイントを貯められる環境を提供する予定だ。

さらに、Tポイント・ジャパンでも、2016年10月にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と遠東グループのDDIMとの間で締結した基本合意を受け、2017年6月8日から、台湾の共通ポイント「HAPPY GO」において、台湾国内の太平洋SOGO百貨店、遠東百貨店やThe Mallなど百貨店等で配布する「HAPPY GO Tカード」利用者向けにTポイントサービスの提供を開始している。

今後はアジアを中心に、国をまたいで便利にマルチポイントを貯めることができ、貯まったポイントを帰国後に現地のポイントに変えて利用できる取り組みが進むと期待したい。

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