2017年12月19日8:00
スマートフォンやモバイル財布の普及拡大に伴い、アメリカやイギリスで近年、モバイル・ロイヤリティ・プログラムが多く誕生している。また、支付宝(Alipay)や微信支付(WeChat Pay)などQRコードのモバイルペイメントが急増し、スマートフォンによるネット通販などのモバイルコマースが急速に拡大している中国でもモバイル・ロイヤリティ・プログラムの導入が図られている。
モバイルを活用したロイヤリティ・プログラムが増加
クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードがモバイル財布に紐づけされ、スマートフォンなどのモバイルデバイスを用いた、NFC(Near Field Communication)やQRコードなどによる近接型や口座間の資金振替など遠隔(リモート)型のモバイルペイメントが可能となっている。一方、従来のポイントカードや航空会社のFFP(Frequent Flyers Program)やホテルチェーンのFSP(Frequent Stayers Program)などのカスタマー・ロイヤリティ・プログラムのアプリケーションも、ペイメントカードと同様に、モバイルデバイスにインストールしたモバイル財布アプリやロイヤリティアプリなどを通じて、スマートフォンに取り込むことができるようになり始めた。
近年、全ての年齢層において、スマートフォンやタブレット端末といったモバイルデバイスが普及し、いつでもどこでもショッピングの意志決定において役立つ情報提供を得ることができるようになっている。
財布の中のポイントカードなどをモバイルに統合
クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードなどのペイメントカードと同様に、ポイントカードやロイヤリティカードも今後は1台のスマートフォンに統合していく可能性もある。なぜなら、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードなどのペイメントカード以上に、ポイントカードやロイヤリティカードがユーザーの財布の中にあふれ、支払い時に財布の中から目的のカードを容易に取り出すのが困難になっているからだ。
特典ポイントやロイヤリティ機能付きのクレジットカードやデビットカードやプリペイドカードは、CRM(Customer Relationship Management)に効果を発揮するが、スマートフォンにペイメント機能とロイヤリティ機能を統合させることは容易である。スマートフォンなどのモバイルデバイスを用いて、商品やサービスを選択し、その支払いを電子的に行うことができれば快適である。
スマートフォンにモバイル財布などのアプリを通じてロイヤリティ機能を搭載するモバイル・ロイヤリティ・プログラムは、「メンバーであることを忘れてしまっている」と「ポイントカードやロイヤリティカードそのものを忘れている」というロイヤリティ・プログラムの最大の問題を解決できる可能性がある。(アメリカでは多くの人が20以上のロイヤリティ・プログラムに参加しているが、20枚のロイヤリティカードを常に財布に入れておくのは困難である)。(図表)は、世界の主なモバイル・ロイヤリティ・プログラムである。
(※レポート「ポイントカード・ロイヤリティマーケティング市場要覧」より)