2018年7月25 日8:08
「Saudi Payments Network (mada:マダ)」は、サウジアラビアのナショナルペイメントスキームとなり、サウジアラビア金融通貨局が管理している。「mada」は、サウジアラビアにおいて、中国の「中国銀聯」のような存在だという。
デビットカードとプリペイドカードに対応
「mada」の決済方法は、デビットカードとプリペイドカードに対応。また、madaの利用者が海外で決済を使用する際は、VisaやMastercardといったブランドで支払いが可能だ。
デビットカードは、店舗やeコマースでの支払いに加え、ATMからの現金の即時引き出しを可能にしている。また、プリペイドカードは、2012年のサウジアラビアのプリペイド決済サービスの規制ルールにしたがって発行されている。プリペイドカードでは、「SADAD Payment System(SADAD)」による請求書支払いも可能だ。
非接触決済のトランザクションボリュームが増加
「mada」のネットワークは、EMVに準拠しており、EMVコンタクトレスやNFCペイメントにも対応している。サウジアラビアでは、リヤドバンクがサウジアラビア初のコンタクトレスEMVカードを発行したが、その後も発行が進んでいる。
また、モバイルを活用したNFCは2016年10月にリリース。現在21%が非接触決済対応だ。さらに、決済端末のEMVコンタクトレス対応も進んでいる。また、madaは、QR決済にも対応可能だ。
現金比率の高いサウジアラビアのキャッシュレス化に貢献へ
現状、サウジアラビアのキャッシュレス化比率として、「5人の1人がカードで、4人が現金です。キャッシュレス化比率は3割ほどです」と、mada ビジネスチームは説明する。「mada」はサウジアラビアにおける現金化率を下げる目的もあるという。
「mada」は、2018年4月15日、16日にUAE ドバイで開催された「Seamless Middle East2018」に出展し、サウジアラビアで成功した決済システムをパートナーなどに対して紹介した。現在は、サウジアラビアでの展開となるが、将来的には銀聯のように国際展開も考えられるそうだ。
「mada」では、サウジアラビアのさらなるキャッシュレス化を図るとともに、eペイメントやフィンテック(FinTech)をさらに発展させていきたいとした。
※取材は2018年4月15日、16日にUAE ドバイで開催された「Seamless Middle East2018」の「mada」ブースにて