2018年8月2日7:37
みずほ銀行とJR東日本は、2018年8月1日から、iOS向けの電子マネー「Mizuho Suica」の提供を開始した。銀行が提供しているサービスとしての安心感、生活者が普段利用している「Suica」、そして日本で最も普及しているiPhoneの3つがそろったサービスとして、多くの人に利用してもらいたいとしている。
シンプルに、ワンタッチで、直感的に操作できるUI/UXに
みずほ銀行では、今年3月、日本初の新しいスマホ決済サービスとして「スマートデビット」の発行を開始した。「スマートデビット」は、銀行口座直結のデビットカードにより、Androidスマートフォンで「QUICPay+(クイックペイプラス)」加盟店での支払いを実現させた。今回、この体験をiPhoneで実現。JR東日本とのアライアンスを通じ、Apple Payのテクノロジーを活用し、利用者のキャッシュレスのニーズに応えていくという。
「Mizuho Suica」は、みずほWalletアプリから即時で発行可能だ。利用者は、iOS用「みずほWallet」アプリケーションの口座の振替設定を行うだけで、即時に「Mizuho Suica」が発行できる。また、口座の残高や取引明細の確認など、みずほ銀行のさまざまなスマートフォン向けサービスに、ワンタッチで簡単にアクセス可能だ。チャージは、従来のSuica同様に、駅の券売機やコンビニ等での現金チャージに加え、iPhoneのWalletアプリケーションを利用したクレジットチャージ、みずほ銀行の口座から直接チャージに対応した。
みずほ銀行 常務執行役員 向井英伸氏は、「JR東日本様、Apple様との連携により、全く新しいサービスを実現することができたと思っています。ウォレットアプリは、シンプルに、ワンタッチで、直感的に操作できるUI/UXになっています」と自信を見せる。
みずほ銀行の口座利用者はスマホから無料で申し込み可能
「Mizuho Suica」には、Suicaを活用したペイメント機能があり、簡易にチャージでき、口座から直結した支払いを感じてもらえるそうだ。また、口座残高などの情報を手軽に閲覧できるようになっている。さらに、みずほ銀行の口座利用者は、無料で簡単に申し込むことができ、しかも紙の申込書は不要だ。
向井氏は、「即座に口座からチャージして、いつも利用しているSuicaで便利に利用できます。また、口座残高を確認しながら利用でき、使った後もすぐに明細を確認できます」とした。
Suicaのカードフェースもみずほ銀行の色に染まって展開
JR東日本のSuicaは、2001年に交通系ICカードとして誕生、2004年には電子マネー機能を付加した。2006年には、モバイルで利用できるモバイルSuicaが登場し、2013年には交通系ICカードの全国相互利用がスタートしている。現在、日本の鉄道の4,789駅、バス3万台、電子マネーは50万店舗で利用できる。2016年には、Apple PayでのSuicaサービスも始まった。
今回のサービスについて、JR東日本 常務執行役員 野口忍氏は、「みずほ銀行様のさまざまなサービスと連携し、ウォレットアプリの1つのパーツとなることで、お客様のキャッシュレスの支払いがわかりやすく便利になると考えています」とした上で、Suicaのカードフェースもみずほ銀行の色に染まって展開しており、「Suicaも新しい展開に一歩踏み出しました」と語った。
DNPは「DNPモバイルWalletサービス」を拡張して提供
なお、iOS用「みずほWallet」アプリケーションでは、大日本印刷(DNP)が提供する決済やポイント等のサービスをスマートフォンで一元管理するクラウド型の「DNPモバイルWallet(ウォレット)サービス」が利用されている。
DNPでは、みずほ銀行に対し、2014年1月の「かんたん口座開設アプリ」、3月には「スマートデビット」などを支援してきた実績がある。今回、「スマホアプリの開発、スマホ決済プラットフォームを提供しています。スマホ決済プラットフォームは、みずほ銀行様の各種API、JR東日本様のSuicaサービスとの連携、みずほWalletアプリとApple Pay用の各種PIを連携させることにより、『Mizuho Suica』を実現しました」と、大日本印刷 専務執行役員蟇田 栄氏は説明する。
今後もスマホを活用した決済サービスを拡張へ
なお、3月に開始した「スマートデビット」は20万のダウンロードがあり、今回の「Mizuho Suica」と合わせ、100万ダウンロードを目指す。また、今後もスマートフォンを活用した決済サービスを拡張していきたいとしている。
みずほ銀行では、キャッシュレス決済利用者拡大やQRコード普及を含めた、生活者と店舗双方の利活用しやすいサービス実現を通じたキャッシュレス社会創造を目指す。また、ウォレットサービスを通じて、非対面でさまざまなサービスを提供していく方針だ。