2018年12月4日8:33
JR東日本とJR東日本スタートアップは、2018年12月3日~9日の7日間、大宮駅(埼玉県さいたま市)西口イベントスペースにて、 JR東日本のアクセラレーションプログラム「JR東日本スタートアッププログラム2018」にて採択したベンチャー企業と連携した新サービスやビジネスのデモンストレーションを体験してもらう場として、 「STARTUP_STATION」を開催している。3日の午前中には、プレス向けに概要を発表した。「STARTUP_STATION 」では、「アクセラレーションコース」で採択されたさまざまなサービスが体験可能だが、決済関連では、Showcase Gig(ショーケース・ギグ)の「次世代オーダーカフェ」が利用可能だ。
「Becker’sのネット注文」では時間指定で受取可能
Showcase Gigでは、事前注文によりキャッシュレスで商品を受け取ることができるサービスとして、モバイルオーダー&ペイプラットフォーム「O:der」を展開している。「STARTUP_STATION」では、「Suicaを利用したセルフ注文」および「モバイルオーダー」を体験可能だ。販売商品は計9商品(Becker’sの飲食4商品、駅弁屋のお弁当5商品)となる。
「Suicaを利用したセルフ注文」では、消費者は来店して、端末のタッチパネルでメニューを選び、数量を選択。支払金額を確認してSuicaなどの交通系電子マネーで決済する。注文後、料理ができると店舗のディスプレイが表示され、完成すると「MAKING」から「OK」に表示が変わり、商品を受け取ることができる。
一方、「モバイルオーダー」では、「Becker’sのネット注文」をいち早く体験できる(体験は4日から)。Showcase Gig マーケティング・PRグループ 広報担当 髙堂和芽氏によると、「Becker’sのネット注文」は通常の「O:der」とは異なり、ホワイトラベルで提供しているという。
利用者は、専用のWebサイトへアクセスし、メニュー、 数量、受取時間を選択して、その時間に店舗に行けばスムーズに商品を手にすることが可能だ。
今回の「 STARTUP_STATION 」では、利用者のキャシュレス化に加え、オペレーション軽減による店舗での省人化についても検証するという。
なお、Showcase Gigでは、JR東日本スタートアップとの資本業務提携を発表しており、今後は首都圏の駅ナカ施設における「O:der」の試験導入や、タッチパネルによって事前注文・決済ができるSuica等交通系電子マネー対応の店舗省人化ハードウェアの共同開発を進める予定だという。
そのほか、「 STARTUP_STATION 」では、AdAsia Holdings Pte. Ltd.のダイナミックDOOH(屋外デジタル広告)の検証、エアークローゼットのIoTを活用した無人パーソナルスタイリング体験、TBMの再生可能素材「LIMEX」傘の展示、メトロエンジンのAIを活用した新幹線混雑予想表示(デジタルサイネージ)、Motionloft,inc.のAIカメラを活用した流動調査と広告媒体の認知率調査が行われている。また、2018年の「アクセラレーションコース」18社の協業プランも紹介された。
青森ではOrigami Payの実験も開始、インバウンド旅行者への対応に期待
なお、「JR東日本スタートアッププログラム2018」は、ベンチャー企業やさまざまなアイディアを有する人々から、駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案をオープンに募り、ブラッシュアップを経て提案を実現していくプログラムとなる。今年は182件のビジネスアイデアの提案があったという。また、「JR東日本スタートアッププログラム2018」が行われ、PicoCELA(ピコセラ)が総合グランプリ「スタートアップ大賞」となっている。
JR東日本スタートアップでは、Origamiとともに、12月1日から2019年3月まで、青森県内でスマホ決済サービス「Origami Pay」を利用したキャッシュレスの実証実験も行っている。青森ではSuicaは新幹線を除く交通機関では利用できないが、「Origami Pay」ではAlipayと提携しているため、青森在住の人々のキャッシュレス化に加え、「増加するインバウンド旅行者の利便性向上にも期待しています」とJR東日本スタートアップ 代表取締役社長 柴田裕氏は語った。