2019年2月7日8:30
大手チップベンダーのSTマイクロエレクトロニクスは、フィデスモ(Fidesmo)と連携して、ウェアラブルデバイスにトークン化による安全な非接触トランザクションを提供している。
非接触決済を利用者自身でウェアラブルにパーソナライズ
近年、ウェアラブルデバイスを活用したペイメントソリューションが増えているが、STでは、非接触決済のためのターンキーアクティブソリューションを作成できる。
STマイクロエレクトロニクス マイクロコントローラーズ&デジタルICsグループ(MDG)セキュア・マイクロ・コントローラー・ディヴィジョン(SMD)バンキング&IDアプリケーション・マネージャーのPhilippe ALARY氏は、「Apple Pay、Samsung Pay、Google Payなどのサービスがありますが、利用者自身が持っているカードを使って独自に支払いたいというリクエストがありました。今は銀行の決済情報を入れていますが、今後は交通カードについてもアダプトしていきたいですね」と説明する。
スウェーデンのスマートウォッチ「Kronaby」でトークン化による決済実現
今回のサービスは、セキュアエレメントと、STのNFCアクティブブーストテクノロジを組み合わせたST53Gによるもの。Fidesmoのトークン化プラットフォームは、利用者のクレジットカード等から必要なデータをユーザーがウェアラブルデバイスにロードすることができる。フィデスモのOTA(Over-The-Air)技術により、特別な機器を使用せずに、パーソナライズをユーザー自身で行うことが可能だ。
スマートウォッチによるデモでは、Bluetoothにより、セキュアエレメントと通信する機能を活用して、パーソナライズを行った。また、特徴的なのは、「カードからウェアラブルデバイスに情報を入れるだけではなく、自身で出し入れができることです」と話す。今回のデモではスウェーデンのスマートウォッチ「Kronaby」によるデモを行ったが、リストバンド、コネクテッドジュエリーなどへの適用も可能だ。
次世代ではパッシブタイプでTypeA/Bに加え、FeliCaもサポートへ
なお、現状は、アクティブソリューションであり、FeliCaはサポートしていない。ただ、次世代のジェネレーションでパッシブタイプになれば、TypeA/BおよびFeliCaへの対応が可能になるとした。日本での展開は未定だが、「オリンピックなどの大きなイベントでも使っていただきたいですね」とPhilippe ALARY氏は期待した。
※取材はフランス・カンヌで開催された「Trustech2018」のSTマイクロエレクトロニクスブースにて