2019年3月18日9:00
TIプランニング ペイメントナビ編集部は、2019年3月13日に品川フロントビル会議室において、「ペイメントカード・セキュリティフォーラム2019」を開催した。
同セミナーでは、PCI DSS、POSセキュリティ、トークナイゼーション、暗号化、ATM不正、スコアリングと途上与信など、不正対策を網羅した内容となり、8社・団体が講演した。
基調講演では、Mastercard サーバー&インテリジェンス(C&I) ソリューション ディレクター 丸山秀幸氏が登壇。最新の国際的な不正利用の動向、EMV、コンタクトレスの動き、セキュリティ対策について紹介した。
続いて、タレスジャパン eセキュリティ事業部 シニア テクニカル スペシャリスト 畑瀬宏一氏が国内外の動向やセキュリティソリューションの実装事例、タレスの持つソリューションについて講演した。
昼の休憩を挟んで、午後の最初の講演では、ビザ・ワールドワイド・ジャパン デジタル・ソリューション&ディプロイメント シニア ディレクター 小林浩樹氏が登壇。デジタル環境でのなりすましや偽造防止対策としてVisaの提供するソリューション、Visa Token Serviceおよび今後の方向について説明した。
続いて、カード会社のライフカードの講演では、マーケティング部担当執行役員 奥山 真一郎氏が新たな途上与信モデルによる精度と与信適正化の取り組みについて紹介した。
スクデット 代表取締役 細江啓太氏の講演では、属性・行動分析のソリューションを国内で9年間取り扱ってきた細江氏が2019年実行計画「属性・行動分析」に関してオンライン加盟店はどのように取り組むべきかを解説いたした。最新の「属性・行動分析」手法や不正対策におけるメリットの説明、同社が本分析手法を応用したシステムを使いこなす為の手引きを業務の視点から助言し、ソリューションを紹介した。
同フォーラムでは、銀行の講演も行われた。セブン銀行 7BK-CSIRT エグゼクティブアドバイザー 安田貴紀氏が登壇し、セブン銀行口座のこれまでの不正利用対策の歩みとともに、未然防止策について、主に攻撃者によるアタックの兆候を発見する着眼点等を、事例を交えながら解説するとともに、最新の取組についても説明した。
最後の2つのセッションでは、PCI関連の講演となった。2019年1月にPCI SSCより新たなソフトウェアセキュリティ基準として、 Secure Software Standard と Secure Software Lifecycle (Secure SLC) Standardがリリースされたが、NTTデータ先端技術 セキュリティ事業部 セキュリティコンサルティング担当 担当課長 池谷 陽氏が、PA-DSS審査員(PA-QSA)として概要を説明した。
最終講演では、PCIセキュリティ・スタンダード・カウンシル 日本アソシエイトディレクター 井原亮二氏が登壇。PCI SSCの概要とPCI基準の最新動向、2020年に向けた日本での取組みについて紹介した。
なお、今回のフォーラムは定員の250名を超える申し込みがあったため、定員を拡張したが、300名強の申し込みがあるなど、関心の高いセミナーとなった。参加者も講師の話に耳を傾け、ペンを走らせていた。各社の講演内容については後日、ペイメントナビなどで紹介する予定だ。
なお、2020年の「ペイメントカード・セキュリティフォーラム2020」は、2020年3月11日の開催を予定している。