2019年4月2日19:26
フランス・タレス(Thales)は、フランス時間の2019年4月2日、ジェムアルト(Gemalto)の買収を完了したと発表した。同買収によって、タレスの売上高は190億ユーロ、自己資金による研究開発費は年間10億ユーロとなり、68カ国での従業員数は8万人に達する。
タレスはジェムアルトの買収に15カ月の期間と48億ユーロを投じた。規模を拡大させたタレスは、企業、組織、政府における一連の重要な意思決定プロセスを支えるあらゆる技術を備えるとしている。ジェムアルトの人材と技術を得て、無人航空交通管理、空港、金融取引、サイバーセキュリティなどに対してセキュアなソリューションの開発を促進させるそうだ。
両社の統合により、生体認証、データ保護、その他のサイバーセキュリティ全般を基礎とするデジタルアイデンティティとセキュリティソリューションの比類のないポートフォリオを持つ世界規模のリーダー企業が誕生したとしている。これにより、タレスは、銀行、通信事業者、政府機関、公益事業およびその他の産業といった基幹インフラを提供する顧客が、人やモノを識別しデータの安全性を担保するためのシームレスなソリューションを提供する。
タレスとジェムアルトは、高度な技術を提供するという共通基盤があり、その8万人の従業員が重要な役割を果たしている。新たなグループの中心となる研究開発(R&D)部門には、3,000人の研究者と2万8,000人の技術者が所属する。タレスは、世界各地の顧客からの要求に応えるべく、数十年にわたり最先端技術の開発を行ってきた。こうして同グループはより良い未来の世界のため、巨額の研究投資を行っています。また、保有する2万500件の特許のうち400件以上は、2018年に登録されたものだ。
同グループは自己資金による研究開発費として年間10億ユーロを投じ、IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)、サイバーセキュリティに関する世界レベルのデジタル専門能力を活用し、今後も各主要市場における技術革新を継続させていく。
同買収により、ジェムアルトはタレスの7番目の事業部門として「デジタルアイデンティティ & セキュリティ」(DIS)という名称になる。ジェムアルトは、同グループのすべての民間・防衛セクターの顧客に対応し、68カ国においてその存在を大きく強化する。タレスの事業が大きく飛躍する中、中南米では従業員数が600人から2,500人へ、北アジアでは700人から1,980人へ、東南アジアでは800から2,500人へと増員し、インドでは400人から1,150人へ、北米では4,600人から6,660人へと拡大させた。