日本のモバイル端末の利用率は全体の7割以上、越境ECには抵抗も(ペイパル調査)

2019年12月11日8:00

ペイパル(PayPay)は、2019年12月6日、モバイルコマースに関するグローバル調査(PayPal mCommerce Study)の2019 年度版を発表した。同調査によると、日本のeコマースにおけるモバイル端末の利用率は全体の7割以上となったそうだ。

PayPal Pte. Ltd.東京支店 加盟店営業部 部長 野田陽介氏

くつろぎながら商品を購入する人が7割
マーチャントのモバイル対応は最下位

モバイルコマースに関する調査は、イプソスの協力を得て、モバイルコマースに関するグローバル調査を、日本など11カ国で2万2,000名のコンシューマー(利用者)と4,600 のマーチャント(ビジネス、加盟店)を対象に実施した。同調査の結果をPayPal Pte. Ltd.東京支店 加盟店営業部 部長 野田陽介氏が紹介した。

今回の調査で得ることができたデータは、「コンシューマーにおけるモバイルコマース利用状況 」「マーチャントにおけるモバイルコマースの対応状況 」「モバイルコマースを成長させる要因ならびに障壁」だという。

日本のハイライトとして、コンシューマーがショッピングにモバイル端末を使用する比率は73%となり、全体で4位だった。他国では、インドが最も高く、ドイツとフランスが最も低い。北米やヨーロッパの国々では依然として PC が好まれているそうだ。

日本の単価は8,384円となり、家でくつろぎながらショッピングする人が70%となった。日本では、買い物にモバイル端末を利用する割合が、11か国中4位に上る一方、マーチャントがモバイルに最適化されたサイトまたはアプリを提供している割合は49%(グローバル平均:63%)となり、11か国中最下位だった。

海外サイトで買い物する人は20%
世界各国のモバイルコマースでのPayPalの浸透は?

また、海外サイトで買い物をする人は20%で、「日本人は海外から物を買うことへの抵抗があります。言語の問題は少なからず気にしています」と野田氏は説明する。海外のサイトのセキュリティを懸念して、海外のオンラインショップを信用していないことも挙げられる。海外サイトで購入する製品は、日本では手に入らないものが多いという。

オンライン販売を行っている日本のマーチャントの海外顧客による売上は全体の26%を占める。そのため、海外顧客をターゲットとすることで売上を拡大する可能性があるとした。

さらに、ソーシャルコマースの利用状況は27%と、4人に1人となった。日本では18~36歳の若者がソーシャルコマースを使用する可能性が最も高く、コンシューマーのニーズに応じた対応をしていく必要があるとしている。

なお、世界的にモバイル端末上で最も利用され、好まれている決済方法は「PayPal」だという。国別では、英米国に加えて、オーストラリアやドイツでもPayPalは最も使用されている決済方法となっているとした。

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