2011年1月25日7:50
月刊「アイ・エム・プレス」Vol.177 2011年“チャット時代”到来!?
2011年“チャット時代”到来!?
チャットの特性を踏まえた他チャネルとの連携が有効
チャットは電話やeメールなどとは異なる特性を有しており、うまく活用すれば顧客とのコミュニケーションの質の向上に寄与する可能性を秘めたチャネルである。まずはチャットの長所・短所を十分に理解し、自社に合った運用方法を考えることが、有効活用の第一歩となるであろう。
ソーシャルメディアの普及が
チャットのビジネスシーンでの活用を後押し?
読者の皆さまはチャットを体験したことがあるだろうか。英語で“雑談”を意味するチャット(Chat)は、インターネット上で短い文章をリアルタイムに近いかたちでやり取りするコミュニケーション手法。従来はプライベートでの利用が大半であったが、近年では顧客とのコミュニケーション・ツールとしての利用を開始する企業も増加している。特に日本市場では、2009 年後半から2010年にかけて、顧客とのコミュニケーションにチャットを導入する企業が目立った。また、IT ベンダーやテレマーケティング・サービス・エージェンシー、コンサルティング・ファームなどの支援企業でも、ビジネスシーンでのチャット活用をサポートする動きが加速しつつある。
チャットはどのような特性を持っているのだろうか。まず、会話が基本的にテキストベースで行われることが最大の特性と言えるだろう。これによって、例えば会話の中でURLを正確に伝えたり、必要に応じてログを確認したりできるといった多くのメリットが実現している。また、リアルタイム性が高いことも大きな特徴だ。特に企業が顧客とのコミュニケーション・チャネルとして利用する場合、企業側はできる限り素早いレスポンスを心掛けるので、顧客側が対応の遅さにフラストレーションを感じることは極めて少ないと考えられる。さらに、電話と比較すると“静かな”コミュニケーションが可能なので、例えば、赤ちゃんがいる家庭など、静粛性が求められる環境でも安心して利用できるという点も着目に値する。
このように優れた特性を持つチャットであるが、日本市場では欧米に比べてビジネスシーンにおける普及が遅れていた。その大きな要因として指摘されているのがタイピングの問題である。表意文字である漢字を含む日本語でのコミュニケーションをインターネット上で行う場合、英語などでは不要な“変換”という行為が必要となることから、日本ではタイピングを“面倒”と感じる生活者が少なくないのだ。
しかし、昨今ではTwitterなどのソーシャルメディアが急速に普及しつつあることから、今後はタイピングに抵抗感を持つ生活者が減少していくことが予想される。つまり、企業がチャットを顧客とのコミュニケーション・チャネルとして活用するための環境が整備されていくわけで、これによってチャットが急速に普及する可能性も否定できない。
そこで今回の特集では、すでにチャットを顧客とのコミュニケーション・チャネルとして活用している企業のケーススタディを中心に、ビジネスシーンにおけるチャット活用の現状と可能性を探った。
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