2011年3月3日12:33
大日本印刷(DNP)、沖データ、コニカミノルタビジネステクノロジーズ、Y Soft Asia Pacificなどは、SSFCデータフォーマットに基づく非接触ICカードを用いた、オフィスのプリンター環境を統合管理するサーバ「SSFCプリンター統合管理サーバ(SSFCプリンターサーバ)」の仕様を策定したと発表した。すでに沖データ、コニカミノルタビジネステクノロジーズ、Y Soft Asia Pacificの3社がSSFCプリンターサーバおよびプリンターとのインタフェースプログラム(プラグイン)の開発に着手し、2012年初頭に、DNPのID管理システムと連携可能なプリンター統合管理システムの商品化を目指している。
DNPが事務局を務めるSSFCは、ICカードを使った、高度な企業内情報セキュリティシステムの実現を目指す企業連合として2005年に設立した。SSFCは、社員証などで複数のメーカーが共有できるICカードのデータフォーマットを策定し、これに対応したセキュリティ関連機器(ゲートシステム等)、OA機器(プリンター、複写機等)、オフィス什器(ロッカー等)などの製品化を進めている。SSFCには2011年2月現在、オフィス向けの各種機器メーカーやシステムインテグレータなど213社が加盟する。また、SSFCフォーマットに準拠したカードや機器は現在までに300社に導入され、170万枚以上のSSFCカードが利用されているという。
SSFCプリンターサーバシステムは、サーバ本体、ICカードのID情報を管理するシステム、プリンターメーカー各社のプラグインで構成されている。プラグインは、各メーカーのWebサイトに暗号化ファイルとして掲載し、SSFCプリンターサーバのユーザ企業が最新版を随時ダウンロードできるようにする予定だ。また、SSFCのWebサイトの専用ページに、各メーカーのプラグインのダウンロードページを示すURLを掲載する予定となっている。
SSFCプリンターサーバの導入企業は、既設のプリンターと異なるメーカーのプリンターを増設する場合でも、SSFCプリンターサーバ対応製品であれば、ICカードの認証システムを改修することなく、全プリンターを1つのシステムで統合管理できるという。例えば、プリンターメーカーを区別せず、オフィスのセキュリティレベルに応じて、プリンター出力、FAXやスキャナの利用など、機能別に利用制限を設定することが可能だ。また、システム管理者は、企業内に設置しているプリンターのメーカーや機種、印刷速度、カラー・モノクロの別、排紙ユニットなどの機能を一覧できる。そのため、組織変更の際に、印刷枚数の多い部署に高速機を配置するなどの検討をスムーズに行えるとともに、消耗品の状態、トラブル情報、カウンタ値などの稼動情報を集中監視して、プリンター環境を円滑に稼動させることが可能である。さらに、ICカードのID情報とともに運用履歴を残すことにより、情報漏洩対策や内部統制にも有効となっている。