2011年9月28日8:00
コールセンター調査速報2011
ソーシャルメディア対応に正解はあるか?
運用効果を最大化するための 体制づくりが求められる
最近、ソーシャルメディアのマーケティング活用を本格化する企業が急増している。特にB to C分野の企業では必須の取り組みとなりつつあるが、その対応体制はさまざまであり、最適な体制を求めて試行錯誤を繰り返している企業も少なくないようだ。今回の特集では効果的かつ効率的なソーシャルメディア対応のあり方について探った。
ソーシャルメディアの普及で これまで聞こえなかった声も聞こえるように ソーシャルメディア対応の本質はコールセンターにおける顧客対応に通じており、将来的には多くのセンターがこれを担っていく可能性は高い。しかし1対1対nのコミュニケーションにはこれまで蓄積されたノウハウだけでは対応しきれず、早急に解決すべき課題も少なくないようだ。
生活者にとって“会員”の持つ重みが薄れる中で
Mixi やTwitter、Facebook、さらにはGoogle+など、 ソーシャルメディアに関する話題が花盛りだ。その中 で、ソーシャルメディア・マーケティングへの取り組 みを本格化する企業が急増している。
ソーシャルメディア・マーケティングの主なアプリ ケーションは、ブランディング、プロモーション、リ サーチ、カスタマー・サポートに大別できるが、例え ばブランディングにおいては、いかに生活者からポジ ティブな意見・感想を引き出し、それを拡散できるか が成否を決定するカギとなる。またプロモーションに おいては、ターゲットとなる生活者の参加度合いがそ の成果を大きく左右する。リサーチにおいてもいかに 数多くの生活者と接触できるかが最大のポイントとな ることは言うまでもないし、カスタマー・サポートに おいては顧客の要望をいち早く聞きつけて、相手の納 得・満足を得る対応に結び付けることが重要だ。つま り、ソーシャルメディア・マーケティングが高い効果 を発揮できるかどうかは、生活者とのコミュニケーシ ョンの質と量をいかに確保できるかにかかっている。
従来、企業における生活者とのコミュニケーション では、コールセンターが主要チャネルとして大きな役 割を担ってきた。しかしコールセンターに寄せられる 顧客の声は全体のほんの一部であると言われる。電話 やファクス、eメールに加え、ソーシャルメディアを 有効に活用することによって、これまでなかなか聞く ことのできなかった、クレームに発展する前の不満の 芽や、ビジネスのヒントになり得る潜在ニーズなどを 拾い上げることが可能になる。
本誌編集部では2011年6月14日~8月5日に実施した 「テレマーケティングおよびコールセンターに関するア ンケート」で、ソーシャルメディア対応に関する問いを 設けた。この調査結果によると、複数部門で対応してい るケースも含め、コールセンターがソーシャルメディア 対応に関与している企業は、ソーシャルメディア対応を 行っている企業の約3分の1にとどまっていた。
しかし、生活者とのコミュニケーションの質と量が ソーシャルメディア・マーケティングの成否を分ける カギである以上、コールセンターが長年培ってきたコ ミュニケーションのスキルやノウハウがそこで生きる はずだ。今回の特集では、コールセンターとの関係性 を踏まえつつ、効果的かつ効率的なソーシャルメディ ア対応のあり方について探った。