2012年12月14日10:00
日本出版販売は、2012年10月1日から、出版業界全体の活性化と「本」そのものの価値向上を目的とした「ほんらぶ」プロモーションを展開している。スペシャルコンテンツとしてWeb上のコミュニティラウンジ「3 SPECIAL BOOKS(スリースペシャル ブックス)」を開設し、「Honya Club」加盟店および「Honya Club.com」受け取り書店を中心とした全国約1,700店にてプロモーションを行っている。同社では、2012年12月13日に、「ほんらぶ」プロモーションの応援イベントを、東京・ホテルフロラシオン青山にて開催した。
日本出版販売は、1949年に創業した本や雑誌を取り扱う問屋となる。同社 CRM事業部長 上原 清一氏は、「出版の危機と言われますが、私が知る30年の間、こんなに本を読むとか買うといったことがいろいろな媒体で熱く語られたことは一度もないと思います。全国的にこんなにいろいろな媒体で本の話が取り上げられたこともいまだかつてないはずです。ピンチではありますが、リアルの本や書店を盛り上げるプロモーションを行うのは最大のチャンスだと考えました」とプロモーション開始の経緯を語る。
Honya Clubは、加盟店で本を買う際にカードを出すだけでポイントが貯まるサービスである。入会金・年会費は無料、即日カード発行ですぐにポイントを貯めることが可能だ。
同社 CRM事業部CRM企画課 係長 後藤智志氏は、「Honya Clubの会員は全国で500万人を超える規模になっています。会員なると便利に使えるネット書店が『Honya Club.com』です。ポイントの相互利用や購買履歴の一元管理など、Webとリアルの融合など、境界を超えながら読者サービスを満たしていきたいです」と意気込みを見せる。Honya Club.comはオンライン書店としての機能もあり、サイトで貯まったポイントは、加盟店で使えるポイントへ交換もできる。また、加盟店含む全国約1,700店で本を受取れば送料無料となるサービスも行っている。
プロモーションでは、野村萬斉さん、ピース又吉さん、優木まおみさん、榮倉奈々さん、麻生久美子さんなどの著名人たちが、Webや店頭ポスターに登場し、自らの人生の中で出会ったトクベツな3冊についての想いや魅力を、ウェブと書店店頭にて連動しながら紹介している。「ほんらぶ」の発案は箭内道彦クリエイティブディレクターによるもので、“Honya Club=ほんやくらぶ”の略称だけでなく、“本LOVE”という意味も込められているそうだ。
すでに「ほんらぶ」プロモーションのスペシャルサイト「3 SPECIAL BOOKS」のキュレーターが100人を突破、一般ユーザーも5,000人目前となり、多くの人選んだ「トクベツな3冊」と、それに対する想いのこもった書評などが充実してきたという。また、サイト内の情報を紹介するTOPページを新設し、FacebookやTwitterのソーシャルメディア活用機能も拡充させている。
イベントには、麒麟 田村裕さん、小森純さん、佐藤かよさんが登場。2007年に発売した自叙伝「ホームレス中学生」が225万部の大ヒットとなった田村さんは、芸人としての扱いはひどいが出版業界では“田村先生”と呼ばれているそうだ。異性にプレゼントしたい書籍として、田村さんは恩田陸さんの「夜のピクニック」(新潮社)を紹介。小森さんは157品の料理が詰まったレシピ本「小森純の節約レシピ」(マガジンハウスムック)を紹介し、「異性の人に料理をつくってもらう料理は嬉しい」と話した。佐藤さんは、二人で会話が広がり、いろいろな価値観を話せる書籍として東直己さんの「探偵はひとりぼっち」(ハヤカワ文庫)を紹介した。
日本出版販売では、「3 SPECIAL BOOKS」および「Honya Club.com」、書店店頭において、キュレーターのポスターが当たるなど3つのキャンペーンを実施。生活者が「本」に触れる機会の増加にも努めていく方針だ。