2010年10月27日15:13
大日本印刷(DNP)は10月から、銀行などの金融機関が店頭で発行申込みを受け付け、その場で顧客に渡すことができる「ICキャッシュカード即時発行システム」を開発し、販売を開始したと発表した。
同社では、複数のクレジットカード会社で採用実績のあるICクレジットカード即時発行システム「ダイレクトビューロ」を提供している。ダイレクトビューロは、DNPが運用するCDMS(Card Data Management Service)センターとカード発行者である金融機関の店舗をネットワークで結び、CDMSセンターで店舗から送られた情報を元にICカード発行用のデータ処理を行い、店舗に設置したICカード発行機を制御して、店頭でのICクレジットカード即時発行を可能にするシステムである。
今回開発したICキャッシュカード即時発行システムは、金融機関の個別のニーズに合わせて、複数の発行機への対応を可能とした。金融機関は、同システムの導入により店頭でカードを即時発行できるため、カード送付コストを削減できるとともに、生体認証機能によるセキュリティ向上施策を窓口で提案し、生体情報の登録を促すことができるなど、顧客サービスの向上につなげていくことも可能だ。
システムの特長として、ASPサービスのため、作業負荷やコストを大幅に抑えることが可能だ。また、CDMSセンターの高セキュリティな環境でデータ処理を行うとともに、堅牢な発行機を備えたシステムであるため、安全性の高い店頭発行を実現するという。さらに、カード発行機内で、デザインや機能の異なる複数のカードを管理することができ、低価格なモノクロプリントや磁気キャッシュカードの即時発行にも対応している。
税抜価格は初期開発費2,000万円から、ASP月額利用料120万円からとなっている。DNPは、ICキャッシュカードを導入している都市銀行、地方銀行、信用金庫などの金融機関を中心に同システムを販売し、今後5年間で30億円の売上げを見込む。