空輸と物流DXを連携させ、効率的なEC物流を構築(ANA/ロジレス)

2024年2月29日22:00

全日本空輸(ANA)とロジレスは、空輸とDX(デジタルトランスフォーメーション)を連携させることにより、物流の2024年問題に対応する「早く」「安く」「ムリなく」輸送する効率的なEC(電子商取引)物流を構築したと発表した。

(ANA/ロジレス)

同連携により、物流の2024年問題でEC事業者の翌日配送できなくなった主に関東地区発、中国・四国地方の岡山以西への配送を、翌日配送可能とし、さらには、今まで翌日配送が難しかった九州地区全域(島嶼部除く)までも配送可能とした。

従来はEC事業者の担当者による受注処理を経た後に出荷指示が倉庫に送られていたため、倉庫にデータが届くまでに時間がかかっていた。さらに出荷のタイミングで配送手段を選別する必要があり、航空便を活用しようとしても、最も早いタイミングで翌日早朝便への搭載となっていたそうだ。今回、ロジレスによる物流DX推進により、利用者からのオーダー、倉庫における発送作業、最終的にはANAの飛行機の貨物空きスペース活用がシステムで一括管理され、輸送までのプロセスが簡素化されることにより、航空便搭載までのリードタイムが最大で4時間短縮されるそうだ。結果として、日中の国内線定期便の出発の間際まで荷物を受け付けることができるようになり、日中の飛行機の貨物空きスペースを活用することが可能になった。

「LOGILESS」を活用するEC事業者、倉庫事業者が同サービスを利用することで、コンテナに複数の事業者の荷物を混載できるようになり、積載効率を向上させることができるそうだ。これにより従来のトラック輸送と比較し、同等もしくはそれ以下の輸送単価に抑えることができるとしている。実例をもとに、EC事業者が関東から九州に配送する際のコストをシミュレーションしたところ、ロジレス便を活用した場合は現状のトラック輸送と比べて約2割の費用削減が実現可能という試算結果となった。

まずは、2024年4月1日より、ANA羽田発岡山行き定期便を活用した輸送にて、一部のEC事業者、倉庫事業者を対象にサービスを開始する。その後、今秋を目途に全事業者に対象を拡大することを予定している。さらには、東京から岡山への航空便に留まらず活用範囲を拡大し、日本全国への翌日配送を目指す。

この記事の著者

New Retail Navi編集委員

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