自動配送ロボット・自動運転車・ドローンの協調配送実証に成功(KDDI/アイサンテクノロジー等)

2024年12月9日7:15

KDDI、アイサンテクノロジー、KDDIスマートドローン、KDDI総合研究所、ティアフォーは、2024年12月6日、物流2024年問題など労働力不足の解決や、災害時の山間部への物資配送の効率化に向けた、自動配送ロボット・自動運転車・ドローンの協調配送実証に成功した。

実証の様子(KDDI等)

なお、1つの目的(配送)を達成するために位置情報の定義が異なる3種類のモビリティを連携させる実証に成功したのは国内初だという。5社は今後、労働力不足が顕在化する2030年を目途に、建物内からの配送や都心ビルへの配送は自動配送ロボット、都市部からの大規模な配送は自動運転車、陸上からの輸送が困難な地域ではドローンで配送を行うといった地域に適したモビリティを組み合わせた全自動の荷物配送サービスの社会実装を目指す。

KDDIは、2024年5月から、顧客の事業成長および社会課題の解決に貢献するため、AI時代における新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)」を始動した。

今後、同実証を通じて培った技術をWAKONX Mobilityに組み込み、ロボットや自動運転車、ドローンの協調制御を支援する。そして、業務の自動化や省人化を促進し、特に物流の効率化や災害時の迅速な対応、高齢者の移動支援といった社会課題の解決につなげる。

5社は、自動運転に関する実証実験を今年度含めて50件以上実施している。またドローンや自動配送ロボットに関する実証実験も多く行っており、次世代モビリティに関する取り組みを進めてきた。

特に全自動配送の実現に向けては、「協調制御プラットフォーム」を開発し、2023年9月には自動運転車からドローンが離着する実証に成功した。全自動配送実現による人手不足解消に向け、協調制御プラットフォームの対象を自動配送ロボットにも拡大するため、同実証に至った。

5社は同実証において、自動配送ロボット、自動運転車、ドローンを協調制御し、各モビリティの合流地点を最適計算する統合配送経路計算技術を開発した。

同技術を活用することで、建物内で荷物を受け取った自動配送ロボットと、ドローンを積んだ自動運転車が連携して互いに最適な合流地点へ移動することに成功した。また、自動配送ロボットから自動運転車へ荷物を受け渡した後、最適なドローンの離陸地点まで自動運転車が移動し、ドローンが離陸、目的地へ着陸、荷物の配送を完了したことを確認したそうだ。

各モビリティが協調することで物流の労働力不足を解決できるほか、災害時の山間部への物資配送を効率化できることを確認している。

自動運転車とドローンにおける協調制御プラットフォーム(2023年9月時点)に自動配送ロボットを加えるため、自動配送ロボットの位置情報を示すローカル座標から、自動運転車やドローンの位置情報を示す緯度経度座標へ変換する機能を追加した。これにより、協調制御プラットフォーム上で3つのモビリティの位置情報のデータ連携が可能になった。

また、配達元、配送先のみを選択するだけで、各モビリティの最適な合流地点を自動計算する。配送地域の特性や風向を考慮した計算により、山間部における運行時間削減や、追い風を活用した飛行によるドローンの消費電力削減が可能だ。

この記事の著者

New Retail Navi編集委員

※流通・コマース関係の情報を中心に記事をご紹介しております。

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