2021年2月24日8:00
特許取得のスキームで不正決済を防止、EC事業者の金銭被害を解消
ジグザグでは越境EC支援サービス「WorldShopping BIZ」を提供。多言語対応や海外のポピュラーな決済手段の導入などによって、海外ユーザーのECでの買い物をサポートする一方、特許を取得した“セキュア・ペイメント”機能により不正決済を検知し、成果を上げている。同社の取り組みについて話を聞いた。
※「キャッシュレス・セキュリティガイド」より
ネットショップの越境EC化を総合的に支援
海外ユーザーと国内EC事業者の課題を解決
ジグザグでは、越境EC支援サービス「WorldShopping BIZ」を展開している。国内のECサイトにアクセスした海外ユーザーは、購入商品を選び、カートに入れた後、WorldShoppingのドメインに遷移。母国語で購入フォームに情報を入力し、国際ブランドのクレジットカードや、中国の「Alipay」、ID決済サービス「PayPal」、Amazonの「Amazon Pay」など、使い慣れた決済手段で支払いを済ませる。WorldShoppingはEC事業者から商品を受け取り、国内倉庫から海外ユーザーに発送。海外ユーザーからの問い合わせにも、WorldShoppingが365日対応する。
経済産業省は越境ECの世界の市場規模を9,123億USドル(約96兆7,781億円)と推計し、これが2027年には4兆8,561億USドル(約515兆1,569憶円)になると予測している。国内EC事業者にとっても、越境ECへの対応は必須の課題だ。
実際、国内ECサイトへの海外からのアクセスは増加している。サイトにはビジュアル情報なども多いので、「商品を選ぶところまでは、言語の違いはそれほど高い垣根ではありません」(ジグザグ 代表取締役 仲里一義氏)。しかし海外ユーザーがいざ購入に進もうとするとハードルとして立ちはだかるのが、日本語特有の購入フォームのカナ入力だ。それ以前に海外発送に対応していないECサイトも少なくない。多くのECサイトで、多大な販売機会損失が発生しているのだ。とはいえEC事業者にしてみれば、海外対応のためにオペレーションを組み直し、運用体制を整えるのは負担が大きい。こういった海外ユーザーと国内EC事業者、双方の悩みを解決するのが「WorldShopping BIZ」というわけだ。
海外発行のクレジットカード不正が顕在化
不正決済の発見・防止で成果
「WorldShopping BIZ」は現在、三越伊勢丹オンラインストア、PARCOオンラインストア、BEAMSなどの百貨店、専門店、約900のECサイトに導入されている。
越境ECで注意しなければならないのが、不正決済の防止だ。近年、海外発行のクレジットカードを使った不正利用が顕在化している。また、海外から、私書箱、転送サービス、空き家などを利用した不正決済を行う事例も増えている。「WorldShopping BIZ」では特許を取得した独自の不正決済防止機能“セキュア・ペイメント”を「WorldShopping BIZ」の付帯機能として2018年から無償提供。2020年10月末までに累計で2,116件、2020年1月~10月の期間では1,271件、約7,400万円相当の不正決済を検知し、防止することに成功した。