2021年6月23日17:35
ANAホールディングスが出資する中国市場開拓支援サービスを提供するACDは、同社独自で運営する越境ECの物流スキームをはじめとするノウハウを銀聯に開放することで、 UnionPay International(銀聯国際)の越境EC本格的始動を支援するという。
2021年5月18日から2021年10月31日まで、双方は中国消費者に向けて越境ECのキャンペーンを実施している。銀聯国際は中国国内の銀行および大型ECプラットフォームと連携し、大規模なプロモーション活動を実施している。今回のキャンペーンの主催は銀聯、ACD、Digital Travelとの三社であり、製品設計、プラットフォーム構築、事業運営およびアフターサービスについてはDigital Travelが責任を負う事でフォローアップしている。
また、銀聯国際はあらゆる資源を活用し、例えばユーザー数が4億人以上のUnionPayアプリ、月間のアクティブユーザーが7,000万人以上の中国最大の観光系予約サイトなどを通じて、キャンペーンへの参加率を向上させていく。商品のラインナップは約500商品あり、すでに中国人消費者に人気のある化粧品、日用品に加え、日本の伝統工芸品など日本ならではの製品も販売する。商品のカテゴリーに応じた広告施策を行い、幅広い客層に応えられるモールにしていくことを目指す。
ACDはEkkyo.netという越境ECで販売される商品を事前に登録し、スムーズな通関を補完するASPサービスを保有している。従来は、ACD独自で運営する越境EC“全日空海淘”だけにこの仕組みを適用させていた。今回の取り組みではこの物流スキームを銀聯に開放し、同様の仕組みを活用することで『中国税関・検疫局への登録』『中国への輸送』『中国現地の物流』まで完結させることができ、中国税関に商品が届いてから急遽、通関ができないことが起きない物流スキームとなるそうだ。
また、中国は世界中で唯一越境ECに対する減税措置を行っている国で政府が定める規定をクリアすれば、消費者は通常の税金の30%減で商品を購買することができる。ACDの物流スキームは元々この越境EC減税が適用されているので銀聯の越境ECサイトも同様の税率で展開することが可能だ。
なお、キャンペーン終了後、銀聯国際は銀行などの提携会社と共にさらなるプロモーションを継続し、日本の事業者と共に、銀聯カードの持ち主にさらに品質のよい商品とサービスを提供していくという。
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ペイメントナビ編集部
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