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NFCリーダライタIC「ST25R3918」を発表（STマイクロエレクトロニクス）

2021年6月23日17:25

STマイクロエレクトロニクス（ST）は、NFCリーダライタIC「ST25R3918」を発表した。同製品は、パッシブなピア・ツー・ピア（P2P）通信機能やNFCカード・エミュレーション・モード、およびNFCリーダライタ・モードなどの機能を搭載している。

ST25R3918は、STのNFCリーダライタIC製品ファミリにおける主要製品「ST25R3916」の機能の大部分を搭載する一方で、コスト競争力に優れた製品となる。ST25 NFC / RFIDタグICとシームレスに通信できるため、電動工具やパーソナル・ヘルスケア製品など、さまざまなアプリケーションにおいてアクセサリ識別機能といったユース・ケースを実現する。また、ST25R3916のエコシステムと互換性を持ち、ハードウェアの設計・認証を行うことが可能だ。

ST25R3918は、カード・エミュレーション規格のNFC-AおよびNFC-Fをサポートしており、高ビット・レートに対応したNFC-A/B（ISO 14443A/B）リーダライタ、最大53kbpsのNFC-V（ISO 15693）リーダライタ、およびISO 18092パッシブ・イニシエータ / ターゲットとして使用することができるという。カード・エミュレーション・モードは、スマートフォンで利用できる最新の機能にも対応する。

ST25R3918が搭載された機器では、スマートフォンをタップするだけでアプリを起動できるなど、通信を行うことができる。機器のプログラミングや、シンプルなNDEFデータの送受信も可能だ。

また、アナログ・フロント・エンド（AFE）およびフレーミング・システムの独自モードであるストリーム・モードやトランスペアレント・モードを使用することで、標準対応外のカスタム・プロトコルをリーダライタ機器に実装できる。

リーダライタ・モードでは、近くのタグをスキャンするだけで、交換部品の検出やパラメータ設定、または単にアクセス・カードを読み取るといった機能を実現することができる。さらに、スマートフォンとの通信中に顧客の行動や使用したアクセサリといったデータを収集することができる。

高い感度を備える一方、STのノイズ抑制レシーバ（NSR）技術を採用しているST25R3918は、広い通信範囲と優れた信頼性を備えており、ノイズの多い過酷な環境下でも0.5W程度の出力で動作することができる。また、低消費電力のカード検出モードを搭載しているため、アンテナ信号の振幅または位相を計測することで、カードの存在を検出することができるという。低消費電力のRCオシレータとウェイクアップ・タイマでST25R3918を自動的に再起動させることにより、設定した時間間隔でタグの存在をチェックすることも可能だ。

ST25R3918には、性能や提供価値を最大化するため、所定の限度内で信号強度を自動制御するダイナミック・パワー制御（DPO）も搭載されている。また、アクティブ波形補正（AWS）で波形を平坦化することで、信号品質の向上に役立つそうだ。

ST25R3918は、2.6V〜5.5V（動作温度範囲: -40℃〜+85℃）および2.4V〜5.5V （-20℃〜+85℃）の幅広い電源電圧で動作する。ペリフェラルのI/O電圧範囲は1.65V〜5.5Vとなる。