2021年9月8日16:10
JR東日本は、国内のスタートアップ企業が中心であったオープンイノベーションの取り組みを海外に広げ、グローバルな共創活動を推進すると発表した。共創活動の第一弾として、シンガポールのスタートアップCrown Technologies Holding Pte. Ltdと同社開発のロボバリスタ「Ella(エラ)」を活用した無人化・省人化による新たなコーヒーサービスの実装に向け、東京駅および横浜駅でテストマーケティングを実施する。
同サービスにより、直面している飲食店舗のコスト構造改革や券売機跡地の利活用といった課題解決に繋げると共に、非接触・非対面の新たなサービスを利用者に提供していく。
具体的には、JR東日本がシンガポールで展開するオープンイノベーションプラットフォーム“One&Co”を活用し、“イノベーションテーマ”と“直面する課題”を組み合わせ、ソリューションを生み出す“海外スタートアップとの共創活動フロー”により、駅の持つ可能性をさらに拡げ、新たな収益確保と価値創造を実現するという。
今回のCrownとの共創活動では、コーヒー×デジタル×AIの観点でコーヒーサービスが直面している課題の解決とサービスレベルの向上に取り組む。狭小スペースでコーヒーサービスを可能とするロボバリスタの導入により、カフェ、待合室、券売機跡地など駅施設の配置や機能を見直し、限られた駅構内のスペースを有効活用することによってBeyond Stations構想で掲げる“これからの駅の姿”を実現していくそうだ。
Crownが開発したロボバリスタEllaは、バリスタが行う一連の作業を無人化したテクノロジーであるという。“人手不足の解消”や、利用者や回転率が低下することに伴う“飲食店舗の収支構造の改善”などの課題を解決するとともに、非接触・非対面というコロナ禍で高まった顧客ニーズにも応える製品となる。
モバイルオーダー(クレジットカード決済)では、Crown開発のアプリを使うことで、待ち時間無しでコーヒーを受け取れる。また、Ellaに搭載されたタッチパネルから交通系ICでオーダーする。オーダーを受けると躍動するロボットアームと、その動きに応じた色鮮やかなLEDライトの演出でコーヒーを利用者に提供する。
さらに、ロボバリスタElla導入に伴うカフェオペレーションとサービス効果を検証するため、東京駅と横浜駅にてテストマーケティングを実施する。テストマーケティングは2021年12月を予定している。テストマーケティング終了後は、ロイヤルカスタマー向けサービスとして、AI分析を使ってカスタマイズした好みコーヒーサービスを提供予定だ。また、JREパスポートの本格導入時にコーヒーサブスクリプションサービスとして提供するなど、より便利に、より手軽に利用できるサービスの実現に向け、Crownと日本法人の立ち上げを予定している。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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