2021年9月30日8:20
STマイクロエレクトロニクスは、ヨーロッパのファッション・ブランドであるPaco Rabanneの新しい男性用香水「Phantom」に、STのNFCタグICを搭載したネットワーク接続型ボトルが採用されたと発表した。ネットワーク接続が可能な独自のボトルにより、多くのスマートフォンで広く採用されているNFC技術を使用して、Paco Rabanneのオンライン・サービス「Phantom Universe」に接続することができるという。
Phantomのボトル・キャップには、STのNFCフォーラム認証済みNFC Type 5 タグIC「ST25TV」が搭載されており、Phantom Universeへのアクセスを可能にする。Paco Rabanneの新しい香水における技術的・デザイン的ニーズに対応したこのボトル・キャップは、ST、Paco Rabanne、タグのインレイを専門とするParagon ID、および射出成型・装飾・組立てを専門とするVPI社(FaiveleyPlastBeauty)が緊密に連携することで開発された。
ボトル・キャップは、スペースに制約があり、光沢のあるクロムメタル仕上げの金属物によって接続不良が発生する可能性がある。このような課題を持つボトル・キャップに対し、汎用NFCタグICであるST25TVおよび特別仕様の小型アンテナを組み込み、受信電力と通信距離を最大化するために、各社が協力して取り組んだ。NFC技術を使用することで、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器とNFCタグIC間の非接触通信時に生じる電磁場によって電源を供給できるため、ボトル・キャップにバッテリを内蔵する必要がないそうだ。
なお、ST25TVは、STのNFC / RFIDタグIC製品の1つ。KILLモードや追跡不能モード、ユーザ・メモリへの読込み・書込みアクセス保護用の64bit暗号化パスワード(失敗回数カウンタ付き)、 製品偽造の検出テストにおいて真正性を証明するデジタル署名など、 NFCタグICへのアクセスを保護する特別なモードを備えているそうだ。タンパ検出もオプションとして利用可能だ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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