2021年12月1日13:10
ジェーシービー(JCB)とブロックチェーン技術を提供する合同会社Keychainは、NFC(Near Field Communications)を活用したオフライン決済ソリューションのシステム実装ならびに稼働検証を行う実証実験に成功したと発表した。
JCBとKeychainは、次世代の決済システムソリューションを開発しており、今回は、NFCを活用した新たなシステムの実証実験を実施し、店頭での非接触型決済と同様のユーザビリティを実現することができたという。
同システムは、外部の決済処理センターとの通信を必要とせず、デバイス間の相互認証処理やデバイスに近接した上位レイヤーのデバイス(ルーターやサーバーなど)での承認処理により決済を実現するそうだ。
オフラインであることから高速処理が可能となるため、将来的には処理件数の増加への対応のみならず、時間的余裕のない場面(自動運転車での料金ゲートの決済等)での活用も見込まれるとしている。
実際の利用イメージとしては、消費者がスマートフォン、クレジットカード、スマートウォッチなどを店舗決済端末にかざして利用する非接触型決済と同様のユーザビリティだとしている。JCBとのコラボレーション環境下において、KeychainはIoT端末、スマートフォン、スマートウォッチに新たな決済プロセスアプリを組込み、①オフラインの環境において、 消費者ごとの一定の極度額までは決済を実施する、②決済プロセスは、 複数の通信手段で実施できる(例:NFCなど)、③通信が復旧回復した段階でオフライン決済された取引台帳・履歴を決済会社に一括・バッチモードで情報共有する、といったシナリオを実施した。
同システムでは、Keychainが持つ技術(Keychain Coreという)と開発プラットフォーム技術をベースに各種IoT端末に32メガバイト未満のメモリ使用しか行わない小さなアプリケーションを組込み、 近距離通信(NFC)規格を利用してIoT端末同士の通信を行った。
なお、Keychain Coreは、ブロックチェーン技術や分散台帳技術を一般的な開発チームでも実装できるような環境を提供し、自己主権的デジタルアイデンティティ、データセキュリティ、さまざまな端末や通信環境における合意コンセンサス・取引を実装できるようにするそうだ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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