2021年12月9日8:00
「iD対応」で店舗は手数料収入獲得、チャージ増でさらなるキャッシュフロー改善へ
アララは、店舗独自の電子マネー(オリジナルPay)を発行できる新サービス「アララキャッシュレス」の提供を開始した。「アララ キャッシュレス」により、ポイントやデジタルギフト、販促、各種分析機能をワンストップで実現する「キャッシュレス総合支援サービス」を強化する方針だ。2022年春以降には、NTTドコモ「iD」対応店舗158万カ所での利用も可能になる予定だ。
記事のポイント!
①「総合店舗サポートパッケージ」が売りに
②オリジナルPayは業種、機能によるが手数料は1%を切る水準
③「アララ キャッシュレス」で最新のテクノロジを活用した機能を提供
④ポイントやデジタルギフト、販促、各種分析機能をワンストップで実現可能
⑤電子ギフト券の発行や紙券のデジタル化に対応
⑥ブランドや店舗別に電子マネーやポイントを発行可能に
⑦4つの決済方法に対応し柔軟に利用可能に
⑧デンソーウェーブの「SQRC」および「フレームQR」に対応
⑨NTTドコモ「iD」決済対応の経緯とは?
⑩「給与デジタル払い」の実証実験にも取り組む
「総合店舗サポートパッケージ」が売りに
「オリジナルPay」のニーズが高まる
アララは、サーバ管理型のプリペイドサービスを市場の黎明期から展開してきた。店舗向け販売促進サービス「point+plus(ポイントプラス)」による2021年8月期の電子マネーの決済額は2,235億円(第4四半期単体で571億)、累計顧客(社)数は186となっている。また、持分法適用関連会社のバリューデザインを合わせると年間決済額は約1兆円、導入社数約1,000社、店舗数は約10万店舗となる。
アララでは、大手・中堅に加え、食品スーパーをはじめとする地域加盟店への開拓を強みとしており、電子マネー、販促、CRMを合わせた「総合店舗サポートパッケージ」を売りとしている。電子マネー、ポイント・割引、クーポン、会員情報管理、メール配信など、企業のニーズに合わせて対応可能だ。アララ キャッシュレス事業部 事業部長 楠木康弘氏は「我々のサービスはロイヤルカスタマー向けであり、お客様を囲い込み、育成するツールとして利用いただいています。オリジナルPayは業種、機能によるが手数料は1%を切る水準です。スーパーマーケットでは、セルフレジになるなどキャッシュレスの波は止められませんが、手数料が安いオリジナルPayに移行したいという思いを持っていただいています」と楠木氏は話す。スーパーマーケットの粗利率は1~3%であると言われており、汎用決済で取り込んだ顧客をオリジナルPayで囲い込みたいという要望が強くなっているとした。
最新のテクノロジを活用した機能を提供へ
AWS対応でトランザクション増加にも柔軟に対応
アララでは、さまざまな業態に対応した「アララ キャッシュレス」の提供を2021年11月より順次開始している。「アララ キャッシュレス」開発の経緯として、アララでは、レピカ時代の2006年8月からオリジナルPayシステムを提供していたが、サービスの利用増に伴い、順次システム開発や投資を行う必要があった。そのため、「他社に先駆けてシステムのアーキテクチャを一新して、最新のテクノロジを活用した機能を提供していきます。プライベートクラウドからオートスケーリングが効くAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)にすることで、トランザクションが増えても安心して利用できるようにしました」と楠木氏は話す。
「アララキャッシュレス」の5つの特徴とは?
ブランドや店舗別に電子マネーやポイントを発行可能に
「アララ キャッシュレス」の特徴は、大きく5つ挙げられる。1つめは、店舗独自の“オリジナルPay(オリジナル電子マネー)”の発行に加え、ポイントやデジタルギフト、販促、各種分析機能をワンストップで実現可能だ。オリジナルPayのシステム提供は、競合企業との価格競争も厳しくなっているが、「手数料争いから脱却し、機能によって付加価値を提供します。トータルな『店舗総合支援サービス』は弊社のみが提供しており、オリジナルPayもその一部だと認識しています」と楠木氏は説明する。
2つめは、従来通り、汎用決済に比べて安価な決済手数料率でサービスを提供する。事前入金のため、チャージ額が増えれば増えるほど店舗のキャッシュフロー改善につながる。
3つめは、オリジナル電子ギフト券の発行や、紙のギフト券のデジタル化に対応可能だ。店舗は、イベントチケットや回数券などで活用できる。
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