2022年1月21日9:05
タレスは、 新しい調査によって、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)および独立系デバイスベンダー(IDV)の90%以上が、顧客が求める柔軟なライセンシングモデルを提供していないために収益を逃していることが明らかになったと発表した。
タレスの「State of Software Monetization Report(2022年) (ソフトウェアライセンシングの利用がもたらす変化への対応)」は、ソフトウェアの配信とエンタイトルメント管理の状況が変化していることを受け、 世界400社以上のISVおよびIDVを対象に調査が行われた。その結果、ソフトウェアベンダーの約4分の3(74%)がクラウド経由のSaaSの配信が増加すると予想しており、3分の2(66%)がオンプレミスとクラウドの両方を用いるハイブリッド型のソフトウェア配信が増加すると予想していることが明らかになった。
SaaSのようなアプローチから得られる大きな利益としては、顧客価値の向上(34%)、収益機会の増加(30%)を抑え、ユーザー体験の向上(40%)が最も重要であると考えられている。しかし、デジタル化の推進は、ソフトウェアのライセンシングとエンタイトルメントに関して、ベンダーが大きな課題を抱えていることも意味しているそうだ。実際、調査対象者の40%が、複数のデバイスにまたがり自社のソリューションをライセンシングする際に問題が生じたことがあると答えており、同じく40%が展開先の環境の違いに苦慮していると回答している。また、3分の1以上(37%)が、リモートで仕事をするユーザーの増加によりサポートが困難になっていると感じているとしている。
これらの問題に加え、顧客の不正使用やソフトウェアの悪用による損失も起こり得る。ISVとIDVは、過去1年間に使われた自社のソフトウェアの4分の1以上が非正規品であったと推定している。調査対象となったほぼすべてのベンダー(90%)が、ライセンシング契約違反が収益に直接的な影響を与えており、自社のソフトウェアが不正利用や改ざんされたり、違法コピーされたりすることを懸念していると回答している。
また、ベンダーの半数以上(54%)が、 ビジネスインテリジェンスのためのデータ活用をさらに拡大することを計画している。ベンダーが利用しているデータポイントは、機能の利用状況に重点を置いており、ユーザーが特に求めている機能(43%)、ほとんど利用されていない機能(41%)、一部が頻繁に利用され一部はほとんど利用されていない機能(41%)などに分かれる。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
カード決済、PCI DSS、ICカード・ポイントカードの啓蒙ポータルサイト