2022年5月31日16:38
大日本印刷(DNP)は、植物由来の原料(バイオマス)を一部に使用した非接触対応ICクレジットカード“バイオマスカード”の提供を6月に開始すると発表した。
DNPは2021年から、リサイクルプラスチックを使用したICカード(リサイクルPVCカード、リサイクルPCT-Gカード)を提供している。今回のバイオマスカードの開発により、環境に配慮したICカードの製品ラインアップを拡充した。
このバイオマスカードの第一弾として、ジェーシービー(JCB)が発行する「JCB ORIGINAL SERIES」等に提供する。これは国内初のバイオマス基材を使用したJCB非接触対応ICクレジットカードになるそうだ。
DNPが今回開発したバイオマスカードは、バイオマス基材をカードの重量比約25%使用している。焼却時のCO2排出量と植物が生育する際のCO2吸収量を一部相殺できると想定され、CO2排出量の抑制および石油等の有限な資源の使用量削減につながる。従来の石油由来原料による非接触対応ICクレジットカードの焼却時と比較して、バイオマスカード1枚あたり約3.9gのCO2排出量を抑制する効果がある。
また、植物由来原料を使用し、品質・関連法規・基準・規格等に合致している商品に付与できるバイオマスマークを同バイオマスカードに表示できる(バイオマスマーク認定取得申請中)。各企業は同カードを採用することにより、SDGs(持続可能な開発目標)の目標達成に向けて、気候変動対策などの活動を推進する企業として、生活者等にアピールしていくことができる。
DNPは同カードに使用するバイオマス基材を国内で調達することで、より安定的なカードの製造・供給を可能としている。
価格は、従来のカード基材と比較して、10~20%程度高い価格を予定しています。DNPは、金融機関をはじめ、ICカードや電子マネーカードを発行する事業者、ポイントカードや会員証等を提供する小売・流通企業など、循環型社会の実現やSDGsの達成に取り組む企業等にバイオマスカードを提供する。バイオマス基材を使用したICカードの選択肢を増やすことで、各企業のカード発行ニーズに合わせて、環境負荷の低減を支援する。2026年度までにバイオマスカード関連事業で約25億円、また同カードを含む環境配慮カード関連事業全体で約100億円の売上を目指す。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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