2022年9月12日18:56
凸版印刷は、対象となる製品に貼付されたNFCタグなどのIDデバイスを消費者のスマートフォンで読み取ることで、 真贋判定や不正流通の監視など、サプライチェーンの管理を可能とする「クラウド型ID認証プラットフォーム」を、2021年5月より中国市場に向けて提供している。このほど、凸版印刷は同プラットフォームの日本市場での提供を開始、メディコム・トイと、博報堂プロダクツが2022年7月20日に発表した模倣品対策ソリューション「du-al. io(読み:デュアルドットアイオー)」に初めて採用されたと発表した。凸版印刷はメディコム・トイに、 NFCタグと同プラットフォームの真贋判定機能を提供する。
「du-al. io」が実装される最初の製品は、メディコム・トイが製造・販売するクマ型ブロックタイプフィギュア「BE @ RBRICK(読み:ベアブリック」の2022年7月23日に発売された3品目で、今後、対応ラインナップは拡大される予定だ。対象製品の右脚部分に凸版印刷のNFCタグが内蔵され、スマートフォンをかざすことで、正規品であることをその場で判定できる。
なお、「クラウド型ID認証プラットフォーム」は、商品情報の提供や真贋判定、プロモーションなどのサービス提供と、収集したデータを活用したトレーサビリティや不正流通の監視など、サプライチェーンの管理を可能とするクラウド型サービスだという。
ICチップによって異なるさまざまな暗号化アルゴリズムや、 読み取りごとに変わる演算結果をクラウド上で判定するID認証方式に対応している。同じNFCタグを何度読み取っても、NFCタグが応答するURLは変化するので、応答したURLをコピーして拡散されても無効となり、URLの不正利用を防ぐことが可能だという。
また、他のソフトウェアやアプリケーションにデータ連携可能なAPIを提供しているので、導入企業は、自社のサービスプラットフォームに凸版印刷のID認証機能を組み込むことができる。
さらに、凸版印刷は、QRコードやNFCタグ、UHF帯のRFIDなどの標準的なIDデバイスに加え、開封検知、再利用防止、金属対応、温度管理などの機能を搭載した機能性IDデバイスや、IDデバイスが一体化されたスマートパッケージの提供も行っており、同プラットフォームのID認証機能と組み合わせることで企業のさまざまなニーズに対応したソリューションの提供が可能だとしている。
凸版印刷では、真贋判定に加え、商品に貼付されたNFCタグの読み取り時の位置情報を活用することでの不正流通の防止や、店頭やイベント会場でのNFCタグの読み取りによる顧客とのエンゲージメント強化などへ用途を拡大し、2025年までに関連受注を含め約20億円の売り上げを目指す。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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