2022年11月8日10:00
日本の経済社会では、少子高齢化に伴って生産労働人口の減少が続き、人手不足がより深刻化する可能性が指摘されている。そのような難しい経営環境の中で、店舗ビジネスを成功させようと考えるなら、IoTを活用した業務の労働生産性の向上と効率化を実現させることが重要になる。飛天ジャパンのIoTプラットフォーム「IoT Cube」/Pay BOXは、リモートで現金とキャッシュレス決済を含めた売上の一元管理やマシンの稼働状況、在庫状況を管理できるため、徹底的な省人化と売上の向上というバランスの維持が難しい経営課題の両立を支援する。(提供:飛天ジャパン株式会社)
中国も労働力不足を視野に、IoT化進める
飛天ジャパン 取締役の岑慕蘭(シン・ボーラン)氏は、「人手不足という課題を解決できるのは、モノのインターネットと呼ばれるIoTです。現在、日本でIoTの導入が進んでいるのは、モノづくりの現場である生産工場や公共交通や水道、エネルギーなどのインフラ分野です。一方で、飛天ジャパンが注目しているのは、これから日本の社会で大きく発展すると予想されている日常生活のなかのIoTです。この分野はまだ競合が少ないブルーオーシャンです」と話す。
飛天ジャパンが日本社会の生活分野のIoT進展を予測する背景には、日本と同じように働き手不足の課題を抱える中国が徹底的なデジタル化によって、その問題解決に取り組む状況を見てきたからだ。中国国家統計局が2021年5月に発表した10年に一度の国勢調査結果では、総人口が14億人とほとんど増加しておらず、労働力人口減少が経済に打撃を与えてしまうとの不安が一層強まっているという。
労働力不足に先手を打つ形で、中国ではキャッシュレス決済やIoTを積極的に取り入れようという動きが加速している。中国飛天が本土で展開しているIoTプラットフォーム製品の出荷台数は200万台を超えており、日本でも普及が始まっているゲームセンターなどのアミューズメント分野をはじめ、マッサージ機などのボディケア分野などに広く普及しているという。
守りのセキュリティと攻めの売上向上を両立
小売店や飲食店などの店舗経営については、日本でも中国でも、IoTソリューションの活用がセキュリティなどの「守り」と、売上高拡大の「攻め」の二兎を追う経営にとって重要なツールになっている。守りについては、中国では、日本に比べて、キャッシュレス決済の普及も進んでいるが、そのためQRコード決済をめぐっては、自分の銀行口座に送金されるようにQRコードを偽造するような悪質な不正も多発しているという。それを防ぐIoTソリューション「スマートスピーカー」を普及させている。
スマートスピーカーは、売り上げた品物やサービスに対する決済金額と結果が自動的にアナウンスされるので、もし買い物客が偽造したQRコードを使って代金を自分の口座に送金した場合、その場で不正に気付くことができる仕組みだ。
岑慕蘭取締役は「日本では、QRコード決済事業者が、『○○経済圏』の構想を掲げて、買い物客の囲い込みに取り組んでいます。キャッシュレス決済の場合、お客様の属性や好みなどのデータをマーケティングに生かすことができます。店舗経営では、QRコード決済やIoTソリューションを上手く使うことによって、売上を拡大することも可能になります」と話す。
電気自動車社会の進展で、充電スタンドが新たな市場に
さらに、新たな市場にもIoTの活躍の場が広がっている。モビリティ分野の電動化が進んでいる中国では、電気自動車や電気自転車、電動バイクなどの充電設備にもキャッシュレス決済やIoTソリューションの搭載が一般化しているという。
日本でも、電気自動車の普及への取り組みが始まっている。政府は、国内販売車の電動化について「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と表明した。2050年にCO2など温室効果ガスの実質排出ゼロをめざす「2050年カーボンニュートラル」の実現を掲げており、電気自動車や充電設備の本体購入費、設置工事に補助金を付けたり減税のインセンティブを与えるなどの方法で、インフラ整備を急いでいる。
電気自動車の充電スタンドは、急速充電器と普通充電器があり、リーズナブルに購入できる40kWhバッテリーでは、普通充電器の充電時間は約8時間から16時間、急速充電で約40分かかる。日本では現在、充電サービスに会員登録し、会費などと合わせてクレジットカードで月払いするケースが多いが、今後は充電スタンドがあらゆる場所に普及してくると、その都度充電をしたい利用者も現れ、QRコード決済やIoTソリューションのサービスが活用されるケースも増えそうだ。
岑慕蘭取締役は「充電器が増えてくれば、ひとつの充電スタンドで時間をかけて充電しなくても、充電できるときに少しずつ充電するという利用の仕方が増えていきます。充電サービス事業に参入する中小事業者も増え、会員登録していない利用者もQRコード決済で気軽に充電できるようになり、近い将来、充電スタンドも、既存機器に手軽に低コストで後付けできるPay BOXのターゲットになると思います」と話している。
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