JFRカード 会員の稼働率や取扱高で成果、QIRAポイントでの地域加盟店開拓も進む

2022年11月1日7:00

■決済・カードビジネス直球インタビュー
J.フロント リテイリンググループで、決済・金融事業を手掛けるJFRカードがクレジットカードをリニューアルしてから2年弱が経過した。百貨店業界初となる縦型のカードデザインを採用した「大丸松坂屋カード」では、稼働率や取扱高が伸び、30代、40代の若年層の獲得でも成果を生んでいる。また、ポイントプログラム「QIRA(キラ)ポイント」を構築し、地域店舗でお得にポイントが貯まる取り組みも形になってきた。同社のリニューアル後の取り組みの状況や今後の構想、決済市場の動向などについて、JFRカード 代表取締役社長 二之部守氏に話を聞いた。

JFRカード 代表取締役社長 二之部守氏

記事のポイント!
①決済・金融事業はグループの成長事業 会員の解約率が低下し、稼働率が高まる
②ワン・トゥ・ワンのコミュニケーションを展開へ
③QIRAポイントは一定の支持を受ける

グループで決済機能を持つことも検討
⑤分割払いやリボルビング払いの残高を伸ばす
⑥「QIRAポイントプラス」開拓を強化

⑦グループ内外のトレンド分析
⑧地域店舗とWin-Winのモデル構築へ
⑨営業利益50億円の達成を目指す
⑩デジタル決済の増加で人の行動も変化
⑪IRF公開の見解は?コストプラスの可能性も
⑫日本のキャッシュレスは成長の余地がある

決済・金融事業を収益の柱に
2022年度は約33億円の営業利益を予想

大丸松坂屋百貨店やパルコ、GINZA SIXなどの店舗を有するJ.フロント リテイリングの2022年3~8月期決算によると、売上収益、純利益ともに順調に伸びている。大丸松坂屋百貨店では、富裕層を中心に高級時計、宝石、アートなどの売上が好調だ。また、全体的な客足も回復している。グループ店舗では、インバウンドの回復に頼らない姿勢を保っているというが、今後は外国人観光客の売上がさらに伸びることは間違いない。一方で、大丸東京店、大丸梅田店(大阪)などはテレワークから徐々に出社が増えているとはいえ、来店客数がコロナ禍以前の状況に戻り切っていない。

その中でJFRカードの決済・金融事業は、J.フロント リテイリンググループの成長事業となっており、「当社の決済・金融事業を収益の柱に育てる位置づけは変わっていません」と二之部氏は説明する。

JFRカードでは、2021年1月に大丸松坂屋カードをリニューアルし、ポイントプログラム、「QIRA(キラ)ポイント」の運用を開始した。リニューアルした大丸松坂屋カードについては、Webサイトやアプリを含めてコミュニケーションを図っており、メインターゲットとなる“購買意欲が高くグループ店舗所在地および周辺の商業施設に居住もしくは来街する30~40代女性の百貨店顧客”が増加傾向だ。リニューアルを機に、年会費の初年度無料を廃止したが、会員の解約率が低下し、稼働率が高まった。二之部氏は「1人当たりの取扱高が3割増えています。年会費を値上げさせていただいた効果もあり、収益も非常に高く、2022年度はほぼ最高益となる約33億円の営業利益を予想として出しています」と成果を述べる。大丸松坂屋カードはもちろん、大丸松坂屋ゴールドカード、大丸松坂屋お得意様ゴールドカードの利用が非常に好調だ。

大丸松坂屋カードの発行券種

一方で、未稼働会員の減少により、口座数は1割減少しているため、「稼働率を高める中で、会員数も伸ばしていきたいです」と二之部氏は意気込む。

決済情報から個々に応じたコミュニケーションを図る
「QIRAポイント」は体験型プログラム提供

現状のカード会員の入会経路は3分の2が大丸・松坂屋などのリアルチャネルだ。店舗でのアプローチにより、ロイヤリティが高い顧客の入会につながっているため、来店客数がコロナ禍前に戻れば、さらに会員の伸びが見込めると考えている。今後は店頭で訴求して、オンラインで入会につなげる施策も強化していきたいとした。

顧客との接点はメールマガジンやアプリが中心となる。現在、マーケティングの仕組みを構築中で、年末からテスト的に稼働する予定だ。決済情報をベースにワン・トゥ・ワンのコミュニケーションを展開する方針だ。二之部氏は「メール、アプリ、準備中のLINEを含めて、順次スタートしていきますので、来年度に向けて決め細かいマーケティングが展開できます」と構想を述べる。

リニューアルを契機に、大丸・松坂屋でのクレジット利用でこれまで付与されていた大丸・松坂屋のポイントにプラスしてQIRAポイントを付与している。QIRAポイントは、百貨店での利用に加え、さまざまな賞品や、Tポイント、Amazonギフト券、WAONポイント、楽天ポイントの4種の共通ポイントとの交換が可能だ。

サービス開始から2年弱が経過したが、「1つのクレジットカードで2つのポイントが貯まるというのは、一定の支持を受けている手ごたえは持っています」と二之部氏は語る。一方で、コロナ禍の影響もあって、サービスの浸透は道半ばでもあると認識している。

ポイント交換においても付加価値の高いモノやコトへの交換を意識しており、サッカープレイヤー堂安律選手と特別な時間を過ごすことができるキッズイベント、“「ROAD TO Dream」~堂安選手と夢を叶えるワークショップ~”の開催、ジャパンゴルフツアートーナメント「For The Players By The Players」でプロアマ大会に出場できる特別な体験を提供するなど、魅力的なサービス提供に力を入れている。さらなる魅力づくりとして、特別な催事に招待したり、店内でお得に利用できるクーポンを提供するなど、百貨店のアセットを使った体験を提供していきたいとした。

“「ROAD TO Dream」~堂安選手と夢を叶えるワークショップ~”を実施

なお、J.フロント リテイリングでは、名古屋市中区錦三丁目の再開発を進めているが、ロイヤリティプログラムをグループのポイントにしていく構想もある。

タッチ決済はグループ食品売り場に導入へ
リボや分割は接客面でも有効

決済の利便性拡充も進めている。リニューアルした「大丸松坂屋カード」にはタッチ決済機能も搭載されている。大丸・松坂屋の食品売り場ではタッチ決済の導入を準備しており、2023年秋に先行して導入できる見込みだ。なお、グループ外では、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどでタッチ決済の利用が伸びている。

また、大丸・松坂屋では、「大丸・松坂屋アプリ」にアプリ支払いサービスを導入し、大丸松坂屋カードを紐づけて使用可能だ。利用者は、アプリのバーコードを利用した支払いができる。二之部氏は、サービスの浸透に向けて、「百貨店でコード決済が必要なシーンを見極めていく必要がある」とした。

今後は、JFRカードというよりもグループで決済機能を持つことも検討していく必要があるという。QRコード決済や生体認証など新たなインターフェースに対応する際、個々の企業が決済機能をそれぞれ開発するのはセキュリティも含めて投資が必要だ。新たな手段への対応は、市場の動向を踏まえたうえで、検討していくべきだとした。

また、収益向上にもつながる分割払いやリボルビング払いは、30代、40代の顧客層を開拓していく中でニーズは間違いなくあると見ている。百貨店の売り上げが春以降伸びていることも手伝って、リボや分割の残高が回復してきた。グループ店舗では、高額な商品の購入促進に結び付けることも可能だ。実際、金利無料のキャンペーンを実施した際などは好結果が出ており、さらに残高を伸ばしてきたいとした。

地域加盟店でQIRAポイントを付与
手厚いコミュニケーションで送客を実現

JFRカードでは、「地域社会との共生」にも力を入れており、 大丸・松坂屋やパルコなどの店舗を核にエリアの魅力を最大化し、地域とともに成長するエリア戦略を掲げている。すでに地域内のグループ外商業施設ともQIRAポイントを媒介に連携。「百貨店、グループ施設、地域で多く、お得に貯まる環境を作っています」(二之部氏)。例えば、札幌、上野、名古屋、心斎橋、神戸、京都などのエリアでは、新たに決済端末を導入することにより、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済の導入支援を行うとともに、導入エリアへの来街者拡大や、加盟店間の相互送客を目指している。中でも「QIRAポイントプラス」加盟店では、大丸松坂屋カードで決済すると2倍、3倍といったようにお得にポイントが付与される。大丸松坂屋カードで決済された際はポイント原資と手数料を加盟店から徴収するが、「手厚いコミュニケーションで結果が出てきています」と二之部氏は話す。例えば、北海道のホテルと連携した取り組みでは、Webによる告知に加え店舗でチラシを配布したが、1カ月で150件ほどの宿泊予約を獲得した。

QIRAポイントプラス。QIRAポイントがもっと貯まるお店

加盟店とは1店舗1店舗コミュニケーションをとって開拓しており、質やバラエティにもこだわっている。また、QIRAポイントプラス加盟店の売上に貢献できるように取り組んでいるため、2030年に会員にとって魅力のある1,000店舗ほどの参加を目指す。さらに、グループ取引先やテナントなどは数千社あるため、法人向けビジネスも検討していきたいとした。

インタビュアーの池谷 貴(右)とともに

地域店舗とWin-Winのモデルを築く
金融プラットフォームの構築を目指す

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