給与デジタル払い対応に向けた強みは? Payment Technologyが「エニペイ」をリニューアル

2023年3月15日20:30

給与前払いサービス「前払いできるくん」をはじめとする BtoB 決済サービスなどを提供するPayment Technologyは2023年3月15日、東京都内で記者会見を開き、2023年4月の労働基準法施行規則改正による給与デジタル払い解禁に対応し、給与口座振り分けシステム「エニペイ」 をリニューアルし、企業への負担をかけずに毎月の給与をデジタルマネーを含む最大5口座に振り分けることができるサービスとして、順次提供開始すると発表した。また、この日、「貯蓄から投資へ」「地方創生」「キャッシュレス化」推進を目的とした給与DX推進アクション「給与口座の多様化で日本を元気に」プロジェクトを始動した。(ライター:小島清利)

中央がPayment Technology 代表取締役 上野亨氏、左が労働経済学者・日本大学経済学部 安藤至大教授、右がBOD 代表取締役社長 田中大善氏

米、中、印など海外で進む
給与デジタル払いに日本も追随へ

厚生労働省の労働政策審議会分科会は2022年10月26日、給与をデジタルマネーで支払う制度の導入を盛り込んだ労働基準法の省令改正案を了承。これにより、23年4月から、労働者側の同意がある場合などに限り、企業側はデジタルマネーでの給与の支払いが可能になる。給与デジタル払いとは、給与を資金移動業者の運営する決済アプリや電子マネーで受け取れる制度。厚生労働省から指定を受けた資金移動業者の決済アプリ・電子マネーのみ給与が受け取れるようになる。

海外の給与デジタル払いの動向については、アメリカでは800万人以上がペイロールカードで給与を受取しているほか、中国ではアリペイに給与振り込みができるサービスが普及しており、インドでも、2023年3月までの「デジタルルピー」発行を表明している。日本でも、海外に遅れを取ることなく、キャッシュレス決済を推進したいという政策的な側面もあり、給与デジタル払い解禁に踏み切った。

ただ、日本での給与のデジタル払いには制限があるという。一つは決済アプリ・電子マネーに保有できる金額は100万円以内で、給与デジタル払いの結果、100万円を超えた場合、資金移動業者は当日中に超過部分を従業員の金融機関口座(または証券口座)に返金しなければならない。二つ目は、資金移動事業者は、破綻時に備えて、給与デジタル払いを受けられる決済アプリ・電子マネーアカウント数に100万円をかけた金額を保証金として積んでおく必要があるという。

給与デジタル払いから日本のお金の流れを変える
給与を最大5口座に振り分け可能に

Payment Technology が2023年1月に実施した「従業員のデジタル給与に関する意識調査」によると、デジタル給与払いを活用したいとの回答が約7割あったという。さらに、給与デジタル払いに積極的な回答をした人に対し、「給与の全部をデジタル払いにしたい」か、「給与の一部のみデジタル払いにしたい」か、を尋ねたところ、83%が口座振り込みとの併用を希望したという。

Payment Technologyの上野亨社長は「デジタル給与に関する意識調査によって、給与デジタル払いの社会的ニーズは高いものの、給与の全てではなく、一部を給与の振り分けによってデジタル給与として受け取ることを希望していることが分かりました。給与の受け取り口座の多様化に対応し、その中でデジタル払いを加えているエニペイは、社会的ニーズにマッチしていると確信しています」と話す。

「エニペイ」は2020年10月に、証券口座、銀行口座への振り分けが可能な「給与振り分けシステム」としてリリースした。今回のサービスリニューアルにより、2023年4月以降、デジタルマネーアカウントへの振り分け機能(最大5口座)が実装され、厚生労働省によるデジタルマネー事業者指定後に順次、デジタルマネーアカウントでの受け取りが可能になる。

一方、給与デジタル払いのシステムを導入するにあたっての企業側が抱える障壁としては、デジタル払いの実施に伴う人事担当者の工数増加への懸念だったという。給与デジタル払いを導入する場合、企業は各従業員からデジタル払いの要否、対象となるデジタルマネーの種類や、給与のうちいくらをデジタルマネーで受け取りたいかなどをヒアリング・管理しなければならず、また希望するデジタルマネーの種類分だけ振込データを作成し、さらにシステム改修が必要になるなど、運用コストもかさむ。

こうした不安に対応し、新しいエニペイは4月以降、システム上でデジタル払いの要否をはじめ、対象となるデジタルマネーの種類、金額等を従業員から直接ヒアリング・管理し、さらに給与情報と連携して各従業員の振込先ごとに振込データを自動生成し、証券口座、銀行口座、デジタルマネーアカウントへ自動で給与を振り分ける。これによって、企業側の運用コストを増加させることなく、従業員のニーズに応えることが可能だ。

Payment Technologyの上野社長は「企業は月額1万円からエニペイの導入が可能で、作業時間は月5分以内の増加に押さえられます。従業員を振替作業から解放し、振替手数料を低くできるよう配慮しています。エニペイは、給与を突破口に日本のお金の流れを変える力を持っています」と意欲を示した。

給与DX推進アクション開始、様々な決済事業者と連携
貯蓄から投資へ、地方創生、キャッシュレス決済へ

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