2023年9月19日13:20
LayerXは、2023年10月1日に始まるインボイス制度(適格請求書等保存方式)に向けて、日本全国の企業が適切に対応できるよう、「企業のインボイス対応力向上プロジェクト」を立ち上げた。
インボイス制度は受領側の負担が大きい
経理に加え、現場社員の業務フローの負荷も
LayerXは、法人支出管理サービス「バクラク」シリーズを展開しており、シリーズ累計導入者数は5,000社以上となる。2023年10月1日より適格請求書等保存方式が開始される。同社では、ベンダーとして1年以上にわたりインボイス制度の訴求を行ってきたが、当初の想像を超える負担が見えてきたという。
同社の調査によると、2023年8月8日時点でのインボイス制度未対応の状況として、発行側は26%、受領側が81%となった。請求書受取側として、経費精算やカード決済の支払い、支払い申請を行う現場社員も影響を受けるなど、受け取り側の負担が大きいという。
また、経理担当者だけではなく。現場社員の業務フローも変化し、法対応に伴う追加業務の負担も増加する。日本全国の企業で推計するとインボイス制度対応で月間約1.4億時間、経理1人あたりでは月間約1〜2営業日分の業務負担が新たに発生するとした。
制度開始後の実務を体験できるキット提供
インボイス対応事前研修も実施
現状、システム導入や活用によるインボイス対応を検討しているのは約3割にとどまる。また、制度開始直前のこの時期でも正しく制度を理解できている経理担当者は決して多くないそうだ。当然、従業員はさらに理解度が低くなる。そのため、制度対応に関するより精緻な知見を共有し、企業のインボイス制度対応負担の軽減に貢献することを目指す「企業のインボイス対応力向上プロジェクト」を発足することとなった。
同プロジェクトでは、インボイス制度の実務上の留意点の解説に加え、制度開始後の実務を体験できるキットを無償で提供する。また、インボイス開始後初の月次決算業務となる10月末の負担軽減のための研修「インボイス対応事前研修」を行う。これにより、インボイス制度開始後の業務のイメ―ジを事前に把握できるという。また、同社のサイトでは、制度理解のための解説資料や理解度向上のための継続的なコンテンツを提供していくそうだ。
なお、8月30日時点での参画企業・団体は、IT World、アイユーアソシエイツ、Wewill、エスアンドシー、税理士法人札幌中央会計、SEVENRICH会計事務所/SEVENRICH Accounting、メリービズとなる。
なお、インボイス制度開始まで残り約1カ月の間で、より多くの企業に制度対応をより精緻に知る・リアルに感じる機会を提供するために、税理士事務所や会計士事務所など数社と同プロジェクトを推進するタスクフォースを結成したそうだ。